空き家解体促進へ、北杜市と企業協定 費用無料算出や業者紹介

米沢信義
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 空き家問題の解消をめざして山梨県北杜市は16日、解体工事費用の見積もりをウェブで提供するサービスを手がける「クラッソーネ」(本社・名古屋市)と連携協定を結んだ。空き家の解体費用の見積もりや業者の紹介をスムーズに行うことで、迷っている所有者をサポートするねらいだ。

 市民や空き家所有者に対して、同社が運営する解体費用を算出する仕組みを市が紹介するほか、解体を検討している場合には空き家処分に関する説明冊子を配布する。

 同社のウェブサービスは、面積、建て付けなどの物件情報を入力する数分の作業でおおよその解体費用を無料で算出し、提携する全国1600社の専門業者から最大6社のおすすめ工事会社を紹介する仕組みだ。すでに全国25の自治体と連携しているが、県内では北杜市が初めて。

 市によると、3月末時点で市内には459軒の空き家があり、これらとは別に県外在住者が所有する老朽化した別荘が八ケ岳山麓(さんろく)に多数ある。半数程度が利活用が難しい老朽化した家屋だが、所有者の中には建物の解体についての情報が乏しく、先送りしてきた例が多いという。

 この日の締結式で、上村英司市長は「老朽化した空き家の解体を所有者が決断するには、情報収集が課題だった。ウェブサービスなら、県外の別荘所有者も簡単に利用でき、市民の安心安全や交流人口の増加にもつながる」と期待を述べた。

 同市は今月下旬から市のホームページでクラッソーネ社のウェブサービスにアクセスできるようにする。同社によると、紹介できる県内の解体工事業者は現在10社ほどだが、川口哲平CEOは「地元の北杜市も含めてさらに提携できる工事会社を増やしたい」と話している。(米沢信義)

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