米Verizon(ベライゾン)とスウェーデンEricsson(エリクソン)、台湾MediaTek(メディアテック)の3社は2023年8月24日(現地時間)、Verizonの5Gネットワーク、EricssonのRedCap対応ソフトウエア、MediaTekのRedCap試験用プラットフォームを使ったデータ通信および音声(VoNR:Voice Over New Radio)通話実験を行ったと発表した。この技術により、5G(第5世代通信システム)の複雑さが低減され、一般消費者向けウエアラブル機器やフィットネストラッカー、モバイル医療機器などを低価格の5G端末として提供可能になる。監視カメラや産業用センサー、スマートグリッドなどの企業向けのIoT(Internet of Things)機器についても効率的な運用が可能となる。

(出所:Ericsson)
(出所:Ericsson)
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 こうした端末類の多くは、音声接続を含むオーディオ機能を必要とするものの、送受信のデータ量は一般に、スマートフォンや無線ルーターより少ない。今回のソフトウエアとチップセットを使うことで、こうした用途に向けた、小型、軽量、低消費電力で電池の持ちがよい機器類の開発が可能となる。

 今回は、Verizonの基幹ネットワークを使用した5G SA(StandAlone)環境にて、CバンドのTDD(時分割複信)、850MHz帯のFDD(周波数分割複信)の両方にて確認を行った。Verizonでは今後、一般消費者および企業向けソリューション開発者と協力して、この技術を活用した5G端末の開発を加速していく。

 RedCapはLTEと同等のデータ通信速度を提供しながら、LTEより高いエネルギー効率や周波数の効率的活用を実現する。5Gで強化されたポジショニング機能やネットワークスライシングなどの機能も活用できる。5Gの新たなエコシステムが生まれる可能性がある。