絵を鑑賞する際、美しい色彩や魅力的な造形に引き付けられるとともに、描かれたモチーフの手ざわりが想像できることがある。日本画でもさまざまな題材が描かれるが、画家たちの繊細な筆遣いによって、あらゆるものの質感が描き出されている。触れた時の感触までイメージが膨らむ作品には、画家の細やかな観察眼と、それを描き出す巧みな技術・表現があるといえるだろう。 橋本関雪は、中国の古典や文学に着想を得た作品を多く描いた画家である。昭和期には動物画を手掛けるようになり、その魅力的な作品で人々を引き付けている。関雪の描く動物は、的確にとらえたしぐさや、人間的な複雑な表情などが特徴として挙げられる...
足立美術館冬季展「名画の感触 絵を見て感じる手ざわり」 イメージ膨らむ筆遣い 〈織奥 かおり〉
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