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【佐藤優樹】ソロデビュー記念インタビュー後編 未知の世界と向き合うきっかけになった心の成長

この春に電撃ソロデビューを発表した、元モーニング娘。の佐藤優樹さんにnon-no Webがインタビューを決行。後編では、前編に引き続き、充電期間に出会った人たちとの印象的なエピソードや、そこからソロ楽曲と向き合うまでの心情の変化を独自のユニークな視点で語っていただきました。

佐藤優樹インタビュー前編はこちら!

  • 【佐藤優樹】ソロデビュー記念インタビュー前編 自分を見つめ直した充電期間について

    【佐藤優樹】ソロデビュー記念インタビュー前編 自分を見つめ直した充電期間について

    2021年12月13日 日本武道館で開催された「モーニング娘。'21 コンサート Teenage Solution ~佐藤優樹 卒業スペシャル~」をもってモーニング娘。およびハロー!プロジェクトを卒業した佐藤さん。充電期間を経て、この春ファン待望のソロデビューが決定したということで、non-no Webが直撃インタビューを決行。前編ではソロアーティストになることを決意するまでの気持ちの変化、卒業してからのモーニング娘。について、ハロー!プロジェクトの未来を背負う後輩などを語ってもらいました。

体当たりで知った世の中のこと

佐藤優樹さんスタジオポートレート

――外の世界で感じたことについてもう少しお話を聞いてもいいですか?

世の中には本当にいろんな人がいるんだなって思いました。仕事を頑張りすぎて泣いちゃう人もいれば、つらすぎてお酒に逃げてしまう人もいる。そういうことを今まで知らなかったんです。ある日ごはん屋さんに一人で行ったんですけど、立ち上がったタイミングで隣の席の女の人にぶつかっちゃって。そうしたらすごい怒られちゃったんです。でもどう見ても普段からそんなことを言うような人には見えなかったので「どうしたんですか? 大丈夫ですか!?」って逆に聞き返してみました。

――すごい展開ですね(笑)。

そうしたらその女の人が急にワッて泣き出しちゃって。「大丈夫ですか? お姉さんおいくつですか?」って質問して。そうしたら「21歳です、もうすぐ22歳になります」って言うので、「きっと私たち同じ学年じゃないですか!」みたいな感じで返したらそこから会話が弾んでいきました。どうやらその女性は仕事がすごく大変みたいで。すごく頑張っているのに、それに見合ったお給料がもらえていないと。なのに、おうちまで火事になっちゃって、もっとお金がなくなっちゃったみたいなんです。

――会話をしていて、佐藤優樹だということには気づかれなかったんですか?

はい。でもそうやって話しているうちに、自分の話もちょっとしたりしました。もちろんモーニング娘。のこととかは言わずに。そうしたらその女性が「なんでそんなに変な話がいっぱいあるんですか? 孤独っぽい感じですけど彼氏とかもいなかったんですか?」って言うから「そもそも今までいたことありません」って返したら「それは悲しすぎるー!」と今度は同情されて(笑)。そもそもぶつかっただけで人から怒られたことがなかったし、その怒りを探っていくと“悲しい”という気持ちに繋がっていくということをその女性を通じて知ることができました。そしてみんな気をつかって生きているんだな、私って意外と今まで何も気にしないで生きていたんだなと気づきました。

――体当たりで世の中のことを知ったわけですね。

はい。途中からその女性の彼氏さんが迎えに来たんですけど、そこで落ち着くのかなと思ったら「来るのが遅い!」ってさらに怒っているのも衝撃的でした。好きだから怒るんだとか、付き合うってお互い自分の価値観を壊して一緒に作っていくものなんだとか。そういうことをその二人の会話から知ることができましたね。

――今まで恋の歌はたくさん歌っていたけれども、実体験とは異なりますもんね?

そうなんです。その後もいろいろ話を聞いて、本当にもういろいろと発見がありすぎました。世の中にはまだまだ知らないことがたくさんあるんだなって。

信頼する恩師からの言葉が大きな転機に

佐藤優樹さんスタジオ全身カット

――そういった経験がソロ活動へと繋がっていったわけなんですね。実際に動き出したのは、いつぐらいのタイミングだったのでしょうか?

それがですね、実は結構早いタイミングで動き出してはいたんです……。卒業する時、今までずっとお世話になっていたディレクターさんからメッセージをいただいたんですけど、そこに「これからも歌い続けてください」って書いてあって。いつも怒られてばかりだったし、「歌に向いていない」と言われたこともあったので、まさかそんな言葉をかけてもらえるとは思っていませんでした。さらに「続けることは力になるから」とも書かれていて。その時にこれからも歌いたいって思ったんです。

――ということは卒業後すぐ、ソロ活動を決意していたんですね?

そうです。ディレクターさんからもらったメッセージを読んだ後すぐに、「これからも歌いたいです!」って会社の人に伝えました。そうしたら「分かった、じゃあ曲を用意するからちゃんと準備してね」って言われて。そうして曲自体はすぐに出来上がってきたんですけど、肝心の私が準備できていなくて。軸がブレブレの状態だったので、レコーディングするのはもう少し待ちましょう、と仕切り直しになったという感じです。

――なるほど。では今回のシングルは大事に温め続けてのリリースとなるんですね。

逆で、冷えっ冷えの状態になりそうな危機をなんとか乗り切ってのリリースという感じですね(笑)。それもこれも全部、優樹のせいなんですけど。だから、やっと曲と向き合える状態になってきた時に曲に対して「久しぶりだね君! 待たせてごめんね!」みたいな感覚でした。

――曲をもらった時の印象は覚えていますか?

はい。今までずっとつんく♂さんの曲を歌ってきたので、全然違うジャンルだし、最初は正直「無理です!」って思いました。無理というのは曲に対してではなく、聴いたことも歌ったこともない感じだったので「自分にはできない!」という意味でそう思ってしまったんです。

体験談を通して理解した“価値観”が新しい音楽に向き合うきっかけに

佐藤優樹さん伏し目カット

――曲をどうやって自分の中で理解していったかの過程も教えてください。

“価値観”っていうものを少しずつ知っていって、まずは自分の心を開かないと何も始まらないんだと気づけたことが大きな転機になりました。またさっき話に出たカップルの話になってしまうんですけど、すごい興味深い話をしてくれて。とあるカップルがいるとします。一人は烏龍茶が大好きなんですけど、もう一人は烏龍茶が大嫌いで目の前で飲まれるのも嫌なんです。それで別れちゃうケースがあるらしく……それってすごく衝撃的じゃないですか!? でも、その話をしてくれた彼氏さんは「もし自分だったら、二人で楽しく飲める別のお茶を探すかな」と言っていて。その時に優樹は「なるほど、それが価値観というものなのか」と思ったんです。受け入れることとか、距離感の大切さとか。新しいものと向き合っていく上で大事なことを、そうやっていろんな人たちの話を聞くことで、少しずつ理解していきました。

――その気持ちが楽曲に対しても向いていったということですね。

そうです。今まではつんく♂さんの曲と向き合っていたので、他のアーティストさんの曲を同じような感覚で聴いてこなかったんですよね。だからいただいた楽曲に対しても最初は「無理」ってなっちゃいましたけど、それが「知りたいな」という気持ちに変わっていきました。時間はかかりましたけど、そう思えるようになってからは本当に楽しいです!

――では改めてそれぞれの楽曲について教えてください。

『Ding Dong』はそれこそ優樹にとって初めてすぎる感じの曲で、理解するのに時間がかかりました。でも気づいたら頭にスッと入っていたんです。大人の方にとっては懐かしい感じもあるみたいなんですけど、ということは絶対へたには歌えないんです。その大人が聴いていた楽曲って、すごく歌が上手な人のイメージだと思うので。だから曲や音のよさが傷つかないように、頑張らないといけないというプレッシャーもすごくあります。この曲を自分の曲にできるようになりたいって思いながら歌っています。

――振り付けもモーニング娘。とはまた違った余裕を感じるようなイメージですよね。

振り付けはめちゃくちゃ難しいです。そもそも、一曲を通してずっと一人で歌って踊るって、オーマイガー!じゃないですか。バックダンサーの方もついてくださって、ありがたい限りです。

――『ロマンティックなんてガラじゃない』はまたがらりとイメージが異なるポップで可愛らしい楽曲ですね。

そうですね、明るいイメージです。あと最初に聴いた時にピンクの曲だなって思いました。そして恋愛に興味がない人でも、きっと好きになってくれる曲なんじゃないかとも思いました。この曲に関してはまだ掴みきれていないところがあるので、今後どうなっていくのかが楽しみな部分もあります。

――ライブで見られる日が来るのも楽しみです!

それまでにはもっとちゃんと仕上げたいですね。お客さんがこの2曲をどうやって受け取ってくれるんだろう、と考えるとすごくドキドキします。もしかしたら最初、すごい悲しませる状態になるかもしれないという想像も一応するだけしていて……(笑)。きっと自分の段階が上がったらまた違う曲になるんじゃないかとも思いますし。この2曲を完成させるのにきっと4、5年はかかるとは思うんですけど。

――それぐらいの気持ちで向き合っているということですね。

モーニング娘。の曲も理解するのに7年はかかったので、それぐらいはかかるんだろうなって。だから今、この2曲に対しては「友達になろうね」みたいな感覚でいます。

“明るい誹謗中傷”は引き続きお断りします!

地球クッションに乗る佐藤優樹さん

――逆に新しい感覚が持てたことを経て、過去の曲に対してもイメージは変わりましたか?

めちゃくちゃ変わりました。今の自分が歌ったら違う感じになるんじゃないかと思います。恋愛とかをしたらもっと変わると思うんですけど。でも今はまだ恋愛に興味がないんです。いろんな人から「それはやばい!」って言われるので、ちょっと不安な気持ちもあるんですけど(笑)。

――ソロになってライブ活動などこれからしていきたいことはありますか?

体の不調などがなくなって自分の状態が整ったらライブ活動はしたいです。そしてファンの皆さんに会いたいです。でも今はまだ会えるようなレベルに自分が達していないから、レベルを上げないと。失敗したらミジンコになっちゃうので。そうならないために頑張らないと。

――(笑)。いずれ自己プロデュースしてみたいとか考えることはありますか?

今はソロのことを理解しようとしている段階なので、そこに自分の意見は必要ないのかなと思っています。自分の意見を言い出したら「あれも嫌、これも嫌」ってなっちゃうじゃないですか。でもそれって挑戦できる幅が狭くなっちゃうだけだと思うんです。まずはいろんな人の意見を聞いて、自分のできることを増やすところから始めたいです。なんだかんだで年齢を重ねて35歳ぐらいになったらきっといろんなことを理解できているはずなので、そこから自分でやってみるとかはいいかもしれないです。

――楽しみに待っていてください、ということですね。

きっと「つまんないなー」って逃げちゃう人もいるとは思います。もうそれは仕方ないなって思っていて。でも逆に、これから初めて佐藤優樹を知ってくれる人にも出会えるかもしれないですし。そうやっていろんなことを想像するとドキドキしますね(笑)。くれぐれも勝手に優樹のことを持ち上げて盛り上がったりするのだけはやめていただきたいです。

――以前のインタビュー(2021年12月のnon-no webモーニング娘。卒業記念インタビュー)でもおっしゃっていた明るい誹謗中傷の話ですね(笑)?

はい。褒めていただいてうれしい気持ちもあるんですけど、「ここをもうちょっとちゃんとした方がいい」とか、ちゃんとしたダメ出しをもらった方が頑張ろうって思えるタイプなんです。いろいろ言われても傷つくとかはないですね。こういう意見もあるんだ、頑張るぞって思えるので。メンタルの強さは本当に今無敵かもしれないです。こんな私ですがこれからも皆さん、宜しくお願いします!

佐藤優樹のBacknumber

  • 【佐藤優樹】ソロデビュー記念インタビュー前編 自分を見つめ直した充電期間について

    【佐藤優樹】ソロデビュー記念インタビュー前編 自分を見つめ直した充電期間について

    2021年12月13日 日本武道館で開催された「モーニング娘。'21 コンサート Teenage Solution ~佐藤優樹 卒業スペシャル~」をもってモーニング娘。およびハロー!プロジェクトを卒業した佐藤さん。充電期間を経て、この春ファン待望のソロデビューが決定したということで、non-no Webが直撃インタビューを決行。前編ではソロアーティストになることを決意するまでの気持ちの変化、卒業してからのモーニング娘。について、ハロー!プロジェクトの未来を背負う後輩などを語ってもらいました。

佐藤優樹のProfile

●さとう まさき

1999年5月7日生まれ、北海道出身。10期メンバーとして、2011年にモーニング娘。に加入。恩師であるつんく♂氏から勝負の年になると言われた22歳のタイミングで、モーニング娘。およびハロー!プロジェクトを卒業し、ソロアーティストへと転向。モーニング娘。在籍時からおなじみの愛すべき破天荒なキャラクターや圧倒的なパフォーマンス力を武器に活動する。

スタジャン¥16500/原宿シカゴ 下北沢店 中に着たシャツワンピース¥10162(ナスティ ファンシー クラブ)・スカート¥9037(ハイスクールディスコ)/ムシンサ グローバル ストア イヤカフ¥2680・シルバーリング各¥2680・ゴールドリング¥2400/ロードス(ヘンカ) シューズ¥10500/CHARLES & KEITH JAPAN その他/スタイリスト私物

佐藤優樹のInformation

佐藤優樹1stシングルDing Dong/ロマンティックなんてガラじゃない通常盤Aジャケ写

佐藤優樹

『Ding Dong / ロマンティックなんてガラじゃない』

待望となるデビュー両A面シングル『Ding Dong / ロマンティックなんてガラじゃない』が3月29日(水)に発売決定。『Ding Dong』は70s〜80sのディスコサウンドを現代的にアップデートした楽曲、『ロマンティックなんてガラじゃない』はポップさが際立つメロディーが特徴的な楽曲となっている。初回生産限定盤を含めた全7形態でリリース。

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