まつじ/世界の終わり、クロック・バードの最期
Last-modified: Mon, 22 Mar 2021 23:49:51 JST (1129d)
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くるっくー、くるっくー、午後一時をお知らせします。
起きろ、おい起きろって。
だめだ、ネジでも切れちまったみたいに動きやしねえ。
おい寝るなって、話し相手がいなくなって寂しいじゃねえか。
しかしなんだろうね、ここは。
海の上みたいだけど、ずっと向こうの方まで凍った波が続いてやがる。
やっぱりあれか、あのドカンってやつかな。
あれっから急に、こんな景色だ。
俺をつくったてやつらが時間をどうにかするって機械を爆発させやがったっけがまあでっかいのなんのって目の前が真っ白になったね。
けったいなものを壊しちまったもんで、目が覚めるとどこだかわからないし海は凍るし、どうにも古めかしい柱やらが崩れて立ってたり、そこいらにアンモナイトの化石みたいなのが見えるし、いっしょにつくられた女児型ロボットの他に誰もいやしねえ。
そいつも、もうダメみたいだし。
くるっくー、くるっくー、午後二時をお知らせします。
起きろ、おい起きろってよ。
あなたおかしな鳴き方をするのねとか言ってみやがれ。
お、きろ、おい、おき、ろ、て。
あ、ダメだ。
どうも、そろそろ俺もネジが切れるみたいだね。
ネジが切れるよ。
まいったね、こりゃ。
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初出/概要
超短篇・500文字の心臓 / 特別企画・イラスト超短編 参加作
執筆年
2004年?
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