2021年10月13日 16:49

沖電気工業(OKI)、矢口港湾建設、増毛漁業協同組合は、2020年8月から北海道増毛郡増毛町の実海域で運用しているOKIの「密漁監視ソリューション」により、密漁の未然防止に成功。あわせて、「密漁監視ソリューション」が実海域での長期的な運用において安定的な動作を確保できることを確認した。

近年、アワビやナマコなどの高級食材を狙う組織的な密漁が横行し、被害額は年々増加している。監視カメラや人手によるパトロールなどでは人件費や装置コストの負担が大きく、特に夜間の無灯火船や水中のダイバーを監視し不審者を発見するのは難しいのが現状。

OKI、矢口港湾建設、増毛漁協はこの課題に対し、OKIの水中音響センサーを用いた「密漁監視ソリューション」による密漁監視の試験導入を2018年に実施。2020年8月に実海域における本格運用を開始した。「密漁監視ソリューション」は、OKIが長年培ってきた水中音響センシング技術を活用したもの。昼夜を問わず密漁船や水中の不審なダイバーを監視し検知することで、密漁の未然防止や密漁監視人員の省人化などを可能とする。

2021年7月にはシステムからの不審音検知情報に基づいて増毛漁協および留萌警察署が見回りを行った結果、不審者と不審船を発見し、該海域での密漁被害を未然に防ぐ成果をあげている。また、水中生物などによる汚染への耐久性や太陽光発電の活用により、長期的な運用でも安定的な動作を確保できることが確認された。