秋田の焼酎【五年蔵(ごねんぐら):両関酒造】秋田の老舗蔵が清酒粕で造る焼酎

秋田の焼酎【五年蔵(ごねんぐら):両関酒造】秋田の老舗蔵が清酒粕で造る焼酎
出典 : 出典:両関酒造サイト 

「五年蔵」は「花邑(はなむら)」「翠玉(すいぎょく)」などの日本酒銘柄で知られる秋田の老舗蔵、両関酒造が、日本酒造りの過程で得られる酒粕を原料に造る粕取り焼酎です。その名のとおり、蔵で5年間熟成されたまろやかな味わいをたのしめる「五年蔵」について紹介します。

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焼酎「五年蔵」の造り手は、秋田の老舗蔵、両関酒造

焼酎「五年蔵」の造り手は、秋田の老舗蔵、両関酒造

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焼酎「五年蔵」を生んだ両関酒造の歴史

焼酎「五年蔵」を造るのは、「東北の灘」とも呼ばれる酒処、秋田湯沢市に蔵を構える両関酒造です。

秋田県南部に位置する湯沢市は、豊かな自然と良質な水、そして冷涼な気候風土に恵まれ、古くから酒造りが盛んな土地です。

この地で両関酒造が酒造りを始めたのは1874年(明治7年)のこと。以来、約150年にわたって酒造りを続けてきた老舗です。

かつては創業者の名を取って「伊藤仁右衛門商店」を名乗っていましたが、1986年(昭和61年)に両関酒造株式会社に改組。「両関」という名には「東西にまたがり君臨するような酒造りを」との想いが込められているのだとか。

両関酒造の酒造りのこだわり

両関酒造の酒造りのポリシーは「人の和によって生まれ、人の和を醸す」と「品質第一主義」。これら創業以来の信念を守り続ける姿勢に、多くのファンが信頼を寄せます。

そのこだわりは米と水、そして酒造りの技法にも貫かれています。米処・秋田のなかでも酒造好適米の約8割までを育てる湯沢の米を厳選して使用。雪国の厳しい自然に磨かれた仕込み水は、「力水」として名水百選にも数えられています。

独自に開発した「低温長期醸造法」を広く公開

両関酒造の酒造りを語るうえで、忘れてはならないのが、雪国ならではの厳しい寒さを活かした「低温長期醸造法」を生み出したことです。

きめ細かな味わいを生み出すこの独自技術によって、同社は全国清酒品評会において、秋田県初の優等賞に輝きました。

さらに、この技術を自社のみにとどめることなく、近隣の蔵元にも公開。東北の酒造りの品質向上に大きな貢献を果たしてきたのです。

「五年蔵」は、清酒粕から造られる粕取り焼酎(酒粕焼酎)

「五年蔵」は、清酒粕から造られる粕取り焼酎(酒粕焼酎)

出典:両関酒造サイト

焼酎「五年蔵」を含めた、両関酒造の商品ラインナップ

両関酒造では、蔵の名を冠した代表銘柄「両関(りょうぜき)」をはじめ、高級酒を中心とした「雪月花(せつげっか)」、女子社員プロデュースによる純米大吟醸「一穂積(いちほづみ)」「百田(ひゃくでん)」、さらには限定販売銘柄「花邑(はなむら)」と、さまざまな日本酒銘柄を造っています。

清酒蔵として知られる両関酒造が、「両関」などを造る過程で得られる酒粕を原料に、丹念に仕込んで造る粕取り焼酎(酒粕焼酎)が「五年蔵」です。

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「五年蔵」など粕取り焼酎はどんな焼酎?

日本酒は、米や麹、酵母を醗酵させたドロドロの液体である醪(もろみ)を搾って造られますが、搾ったあとに残るのが酒粕。いわば日本酒の副産物ですが、酒粕にもアルコール分が8%ほど残っていて、これを抽出して造る焼酎を「粕取り焼酎(酒粕焼酎)」と呼びます。

焼酎は焼酎蔵が造るものと思われがちですが、日本酒の蔵元が、酒造りで得られた酒粕を原料に粕取り焼酎を造るケースは全国各地で見られます。粕取り焼酎には、その蔵元の造る日本酒の香りや味わいが凝縮されていて、日本酒好きからも人気のある銘柄が少なくありません。

「五年蔵」は、日本酒の蔵元が造る粕取り焼酎の代表銘柄のひとつで、上質な吟醸酒のような香りと、まろやかで深みのある味わいで人気を集めています。

焼酎「五年蔵」の魅力は、5年熟成ならではのまろやかな味わい

焼酎「五年蔵」の魅力は、5年熟成ならではのまろやかな味わい

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焼酎「五年蔵」の味わいの秘密は乾式蒸溜

「五年蔵」の製法上の特徴は、酒粕に水を加えることなく蒸溜する、乾式蒸溜で造られることです。

近年では、粕取り焼酎といえば、酒粕に水と酵母を加えて再醗酵させてから蒸溜する「吟醸粕取り焼酎」が増えていて、「五年蔵」のような乾式蒸溜は、昔ながらの粕取り焼酎といえます。

酒粕を低温・常圧で乾式蒸溜して造られる「五年蔵」には、日本酒独特の豊かな香味が、そのまま濃縮されています。まるで日本酒のような淡麗辛口な味わいを、ぜひ、味わってください。

焼酎「五年蔵」のまろやかさは5年にわたる熟成から

「五年蔵」という酒名は、文字通り、5年にわたって蔵のなかで熟成されることに由来します。

焼酎は、刺激の強さを抑え、酒質を安定させるため、蒸溜後に一定期間、保存・熟成してから出荷されます。一般的な熟成期間は1~3か月程度。「長期熟成」と表示するには熟成期間3年以上のものが50%を占める必要があり、そこから考えれば「五年蔵」の熟成期間の長さがわかるというものです。

5年間にわたり、じっくりと時間をかけて熟成させることで、独特のまろやかな風味を持つ「五年蔵」が完成します。

「五年蔵」をたのしむ際は、ふくよかな香りとともに、その時間の長さをも味わいたいものです。


「両関」をはじめとした上質な日本酒の酒粕から造られる「五年蔵」は、まさに「酒の雫(しずく)」ともいえる極上の味わいがたのしめる焼酎。オン・ザ・ロック、水割り、お湯割りなど、お好みの飲み方で味わってください。

製造元:両関酒造株式会社
公式サイトはこちら

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