普天間の危険性除去に10年以上かかる でも「辺野古唯一」は変わらず 首相、国会で改めて強調


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沖縄防衛局が埋め立てを進める名護市辺野古の沿岸部。埋め立て区域内に緑色の団粒化剤が確認できる=19日午後、名護市の米軍キャンプ・シュワブ

 【東京】安倍晋三首相は22日の衆院代表質問で、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について「唯一の解決策」だと改めて強調した。普天間飛行場の返還期日が2030年代にずれ込むことが確実となっているが、首相は「着実に工事を進めていくことこそが普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながる」と説明し、政府方針を変えない考えを示した。

 防衛省が昨年12月、工費に9300億円、米軍への施設提供までに12年かかるとの辺野古の工事見通しを示してから、首相が辺野古について言及したのは初めて。国会が開会した今月20日の施政方針演説で、例年盛り込んでいた辺野古移設や普天間飛行場返還について首相は言及しなかった。

 22日の代表質問で、立憲民主党の枝野幸男代表は「膨大な税金を投入して工事を強行しても、普天間基地の危険を除去することができるのは10年以上も先だ。もはや唯一の選択肢という前提は崩れている」と追及した。

 首相は「住宅や学校に囲まれ、世界で最も危険といわれる普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされるのは絶対に避けなければならない」と説明した。その上で「日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性除去を考え合わせたとき、辺野古移設が唯一の解決策」だと従来の説明を繰り返した。