オミクロン株 市中感染確認 不安な人に無料検査へ 東京など

東京都は、都内でオミクロン株の市中感染が初めて確認されたことを受け、25日から、症状がない場合でも、感染に不安を感じるすべての人が無料で検査を受けられるようにします。東京都内で海外への渡航歴がなく感染経路がわかっていないオミクロン株の感染者1人が確認され、都内で初めての市中感染のケースとなりました。

これを受けて都は、感染を抑え込む対策を強化するため、症状がない場合や、ワクチン接種をすでに受けていても、感染に不安を感じるすべての人を対象に無料の検査を行います。

年末年始に帰省を予定している人や感染が確認された人と接触があった人、それに高齢者施設を訪問する予定がある人などを想定しているということです。

検査は、25日から民間の検査機関12か所で受けることができます。

さらに、週明け27日をめどに都内のドラッグストアにも広げておよそ180か所で、一日当たり3万件の検査を行えるようにするということです。

検査は、PCR検査か抗原検査かを選ぶことができ、PCR検査であれば早ければ当日に、抗原検査であれば10分程度で結果がでるということです。

陽性の結果が出た場合は、都が、改めて、医療機関を受診し確定の診断を受けるよう、勧めるということです。

小池知事は記者会見で「『帰省して、自分がもしかかっていたら実家のおばあちゃんに、うつしてしまうのではないか』といった不安を抱える方などに役立てていただく。移動する際にも、気をつけることは気をつけて、安全安心な年越しになるよう努めていただきたい」と述べました。

大阪でも「無料検査」始まる

大阪府は、新型コロナの新たな変異ウイルス、「オミクロン株」の市中感染が広がっている可能性があるとして、感染への不安を感じる府民を対象にした無料の検査を24日から始めました。

無料の検査は、大阪府内の薬局や民間の検査機関など100か所以上で行われ、症状はないものの感染への不安を感じる府民が対象です。

このうち、大阪・西区の薬局では、24日の夕方までに、100件ほどの問い合わせがあり、およそ30人が検査を受けました。

数日後に結果がわかるPCR検査と、20分ほどでわかる簡易的な抗原検査が行われていて、このうちPCR検査は、キットが品切れとなり、25日以降の入荷を待っているということです。

「ウエルシア大阪新町店」の中島佑宜店長は「地域の薬局として、このような形で貢献できてうれしい。帰省前などのタイミングで検査を受けてもらえたらと思います」と話しました。

大阪府は、より利用しやすい環境を整えるため、無料の検査場を450か所程度まで増やしたいとしています。

神奈川県 ワクチンを接種できない人を対象に実施へ

神奈川県は、12歳未満の子どもなど、新型コロナウイルスのワクチンを接種できない人を対象に、希望する場合は、県内の薬局などで無料のPCR検査などを始めたと発表しました。

神奈川県の黒岩知事は、12歳未満の子どもなどワクチンを接種できない人を対象に、希望する場合、県内の薬局や検査機関などで無料でPCRなどの検査を始めたと発表しました。

24日の時点で、検査を行っているのは合わせて5か所ですが、県は今後、県内全域で検査を受けられるようにするとともに、オミクロン株の感染状況などを見極め、対象を広げることも検討するとしています。

一方、神奈川県内に住む男性が、オミクロン株に感染している疑いがあることが判明したことについて、黒岩知事は「空港などでの水際対策は、今のところ、基本的にはうまくいっていると思うが、市中感染が確認されるのも時間の問題だ。そのときに無料で簡単に検査ができれば、安心安全につながると思うので、なるべく早く体制を整えたい」と話していました。

岸田首相「東京でも希望者は無料で検査を」

大阪、京都に続いて、東京でもオミクロン株の市中感染が確認されたことを受け、岸田総理大臣は記者団に「オミクロン株の早期探知の徹底と、濃厚接触者の宿泊施設での待機要請を柱とする封じ込め対策を実行していく」と述べました。

そのうえで、東京でも、感染に不安を感じて、希望する人は無料で検査を受けられるようにする考えを示しました。

また、新型コロナの飲み薬については、承認されれば、ただちに20万回分の配送を始め、来週から使えるようにする考えを重ねて示しました。

一方で、岸田総理大臣は、年末年始の時期には、帰省や忘年会、新年会などで、人との接触機会が増えるとして、マスクの着用をはじめとする基本的な感染防止策の徹底などを呼びかけました。

そのうえで「帰省や旅行は、オミクロン株の動向を踏まえ、慎重に検討していただくようお願いする。私も年末、地元の広島に帰る予定を立てていたが取りやめることにした」と述べました。

そして、「新型コロナとのたたかいは、国民みんなで力を合わせて乗り越えていかなければならない」と述べ、協力を呼びかけました。