岸井成格が安倍官邸から受け続けた圧力の数々! 安倍応援団による卑劣な「意見広告」攻撃の末、『NEWS23』降板に

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出演当時の『NEWS23』HPより

 毎日新聞元主筆でジャーナリストの岸井成格氏が、15日に肺腺がんで死去した。73歳だった。岸井氏は2017年10月に、コメンテーターとして出演していた『サンデーモーニング』(TBS)においてがんを患い入院治療をおこなっていたことを明かし、昨年12月3日放送分を最後に同番組を休んでいた。

 だが、やはり岸井氏といえば、2013年4月からアンカーを務めた『NEWS23』(TBS)での、安倍政権を毅然と批判する“忖度しない”姿が記憶に残っている人も多いだろう。そして、『報道ステーション』(テレビ朝日)の古舘伊知郎や『クローズアップ現代』(NHK)の国谷裕子がキャスターを降板したのと同じ2016年3月をもって、岸井氏は膳場貴子キャスターとともに降板した。

 この一連の降板劇の背景にあったのは、言うまでもなく安倍政権からの圧力だった。メディアに睨みをきかせ、不都合な報道をおこなう番組には圧力をかける──これは安倍政権の常套だが、じつは官邸は、番組スタート時から、岸井氏に接近していた。

 2016年6 月に発売された、慶應義塾大学の法哲学ゼミで同期だったという佐高信との対談本『偽りの保守・安倍晋三の正体』(講談社)で、岸井氏はこう語っている。

「「NEWS23」を始めてすぐの頃だと思う。安倍首相から官邸に来てくれと言われて、その時、菅とも顔を合わせた。安倍から「その節はお世話になりました」と挨拶されたんだけど、後で首相番連中が言うには、「岸井さん、あれはまずかった。どっちが総理かわからないですよ」と。私の態度がでかすぎたらしい(笑)」

 安倍首相が口にした「その節はお世話になりました」という言葉の意味は、岸井氏が晋三の父・安倍晋太郎の担当をしていたときのことを指しているらしい。岸井氏は「私は安倍のおやじさんの晋太郎には非常に可愛がってもらって、ある意味で逆指名的に私が彼を担当しているようなところがあった」と語っているが、外遊の同行では晋太郎の秘書を務めていた晋三と一緒だったという。

 だが、岸井氏は安倍首相の政策にはっきりと異を唱えた。

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