「人生はままならない。それゆえに人生は諦めることで全てが上手くいく」という最新の研究成果をもとに「いかに人生を諦めるか」という技術を講義で学ぶ(？)「人生を諦める技術」講座(8月13日月曜深夜0時12分～)。

司会は、"最近人生を諦めた"と言うフリーアナウンサー・登坂淳一、生徒役は、乃木坂46で最も諦めて成功したアイドル・秋元真夏。生きるために必要な"諦め"について解説するのは、東京法経大学(？)の田村丸教授。歴史学・社会学を元に、諦めの観点からさまざまな事象について分析し、その実践方法について学ぶ、テレビ東京らしい教養番組...です。

8月6日、13日と2週連続でお届けするこの講座。6日(月)の第1夜は「人生はままならない。だからすべてを諦める」をテーマに、3つの"諦める技術"を検証。ここでは6日に放送された3つの技術のうち「仕事を諦める技術・その2"絶対に過ちを認めない上司"の諦め方」について振り返ります。

仕事を諦める技術・その2「絶対に過ちを認めない上司」の諦め方

(相談内容)
都内にある立ち食い蕎麦屋に勤める方からの相談。「もりそば」と「かけそば」を間違って客に提供したことでクレームが発生。しかしながら、相談者の上司にあたる店長は絶対に認めず、この問題が勃発したことによりお店は空洞化し、正常営業できない状態に。即座に謝れば済む問題だったのが、揉め事を回避しようと相談者が「よかれと思って」そっと伝票を書き換えたことが発覚し、責任を取らされ、まさかの依願退職からの懲戒処分。このような場合、いったいどうしたらよいのでしょうか？

間違ったリーダーのもとで物事を推し進めてしまい大惨事を招いたことは歴史上多々ありました。では、その場合どうしたらよいのでしょうか？

そこで田村丸教授が提唱するのは、イザヤ・ベンダサンが唱えた「さぁ、ウンコ出そう！」の法則。イザヤ・ベンダサンとは、一説には風刺の意味を込めた「さぁ、ウンコを出そう」の意とされる思想家・山本七平のペンネームです。

山本は著書『「空気」の研究』の中で、戦時中、諦めることができなかった日本を支配した"空気"についての構造を分析しました。ネーミングがアレな感じですが、要は「ヤバそうな空気を壊して通常性を取り戻すには、諦めて水を差そう」という行動です。「水を差す」=ツッコミを指します。

それとプラスして重要になるのは「フェステの仕事術」すなわち「鈴木奈々の仕事術」。かつて絶対王政が敷かれていた中世ヨーロッパには職業として愚者を演じる「宮廷道化師」がいました。しかし彼らはただのバカではありません。「賢いからこそバカを演じられた」とシェイクスピアも『十二夜』でフェステに語らせています。宮廷道化師は絶対権力者である王に対しても自由に発言する権利が与えられていました。

賢さを諦めて、ワザと馬鹿になりきるといった仕事術。芸能界における鈴木奈々さんの仕事術もこれに該当するのではないか？と田村丸氏は、（勝手に）推測します。

政治史学的には、権力者の近くには笑って諦めやすいようにおバカな存在を置くのが好ましいとされております。「上司の方針に従って頑張ることを諦める」「マジメを美徳として生きる事を諦める」という2つのポイントを伝授。権力者が暴走した際、その周囲が人からの見え方を諦められず、マジメな人間だけになった時が最も危険なのです。

言葉の本質的な意味を理解せずに、下品な言葉の言葉尻だけを捉えて非難する姿勢が、歴史学上最も危険であることについても言及します。バカになることが許されない社会になればなるほど、こういった事態は増えていくのかも。バカになりきって上司にツッコミを入れていくことが大事になってくるでしょう。

と、最もらしく語る教授と、それをだるそうに聞く秋元さん。怪訝な表情を浮かべる登坂さんにも注目を！

他にも「仕事を諦める技術・その1"ムチャぶりする上司"の諦め方」「夫婦関係を諦める技術」についても検証。田村丸教授が分析した詳しい学説については、「ネットもテレ東」で配信中です！

また、来週8月13日(月)深夜0時12分～の放送では、第4講義「自分に対する悪口」の諦め方、第5講義「運命の人」の諦め方、最終講義「日本の未来について」をお届けする予定です。こちらもお楽しみに。