マネーと制度   |   買う   |   住まいの雑学
連載賢い住まいのマネー術
花輪陽子phpto2
花輪陽子
2018年3月26日 (月)

車、家電、家具…増税されてもされなくても「いま買ってよいもの」は? 賢い住まいのマネー術(6)

増税されてもされなくても! 「いま買うべき物、買わなくてもよい物」教えます 賢い住まいのマネー術(6)
画像/PIXTA
森友学園問題で揺れる自民党政権ですが、いまのところ2019年10月には、消費税率が10%に引き上げられる予定です。2%の差は大きいので、大きな買い物はなるべく早くから準備して、安いうちに買っておきたいと思っている人もいるでしょう。
でも、ちょっと待って。8%に上がるときも起こった駆け込み消費ですが、増税後にセールになる品物もありましたよね。「早まった!」もしくは「買っておけばよかった」といった後悔をしないためにも、何をいつ買うべきなのか。もし増税がされなかった場合にも参考になる、基本的な考え方をご紹介します。
【連載】賢い住まいのマネー術
住まいに関する支出は、家庭の大きな割合を占めるもの。保活から住宅ローン控除まで、住まいに関する家計管理や節約術に定評のあるファイナンシャルプランナー(FP)の花輪陽子さんが解説します。

家電や家具などは買っておくほうがよい?

まず、すべての買い物に共通する基本的な考え方としては、「購入予定があって値崩れしにくい商品は『現在(税率8%)』のうちに買っておくとよい」ということです。必要のないものまで買ってしまえば支出は増えますし、値崩れする商品を先に買っても消費税の増税分より値段が下がってしまう可能性もあるからです。

家電に関しては、一般に値段が安定している白物家電(洗濯機や冷蔵庫、電子レンジなど日常生活に使う家電)は「買い」で、値動きしやすい黒物家電(音楽機器やゲーム機など、趣味や娯楽用途の家電)は「待ち」です。白物家電は生活をする上で欠かせませんし、値段が大きく崩れることも少ないからです。

では、白物家電はそれぞれいつ買えばよいのでしょうか。新居やリフォーム後のお部屋ができたタイミングですべてを新しくしたいと思うかもしれませんが、市場の値段が安くなるのと、自分が欲しいタイミングがずれる場合もしばしば。場合によっては今まで使っていた家具・家電をひとまず新居に持って行き、落ち着いたら探し始めるというのも一つです。一度に買うのに比べると、予算面からも融通を利かせやすいでしょう。

冷蔵庫は秋に新商品が出る場合が多く、発売からしばらくした年末ごろから値段が下がり始めるのが一般的なパターンです。さらに、ひとつ古い型の商品をアウトレット店やインターネットで探せば、安価な金額で手に入れることができます。

家電の値段変動サイクルは商品によって異なり、エアコンの場合は年明けごろに新商品が投入されることが多いです。エアコンの需要が減る4~5月になると値段が安くなります。家電の価格の推移は「価格.com」などでも検索が可能です。自分が欲しい家電で検索し、人気商品の値動きを2~3点調べてみることをおすすめします。

例えば、そろそろ冷蔵庫の買い替えを考えている方なら、2018年の年末ごろにアウトレット店などに冷蔵庫を探しにいくというイメージです。エアコンの場合は2019年の4月ごろから探し始めるとよいでしょう。増税は2019年10月なので、まだ先のように感じますが、増税前でもお得なタイミングで購入したいとなると、意外にも早くから準備をしたほうがよいことが分かります。

大手量販店では、古い家電を処分し、新しい商品に買い替える人向けのキャンペーンを行う場合もあるので、そうしたキャンペーンを活用したり、配送のタイミングなども相談するとよいでしょう。原則、引き渡し日の税率になることが多いため、増税直前に駆け込む場合は要注意です。

家具に関しては、ブランド家具などで値崩れしにくい物は増税前に探し始めてもよいでしょう。ただし、催事場などで行われる家具セールや中古品を活用する方法もあるので、必ずしも駆け込み購入しなくてもよいと思います。

自動車は増税前に買うべき? その他、住まいまわりで検討したい物は?

また、購入のタイミングを考えておきたいのは自動車です。車を購入する際に適用される税率が決まるのは、「登録時」になっていますが、ナンバープレートの登録には時間がかかります。増税直前の2019年9月に選んでいるとギリギリになってしまうので、買う予定があるならゆとりのあるスケジュールを組むべきでしょう。

できれば早い時期から準備して、3月や9月などの決算期前にディーラーと交渉して有利な条件で購入したいものです。決算期の1カ月半前くらいから動き出し、複数の見積もりを取るとよいでしょう。2019年2月ごろから動き始めて、3月決算を狙って購入するのも手です。

増税されるとなれば、直前の2019年9月決算は、同じように駆け込み購入しようとする人が多くなることが予想されます。となるとあまり値下げされないことも考えられますね。もし出遅れたら、需要が低迷するであろう増税後に、オプションなどで値引き・サービスを受けられないか交渉してみるのもよいと思います。

その他、リフォームも値段が下がりにくいので、リフォームをする予定がある人は増税前に検討をしてもよいでしょう。「床暖房にリフォームしたい」など小さなリフォームも含めて検討してみてもよいかもしれません。

浄水器のカートリッジや空気清浄機のフィルターなど、既に本体を購入している商品の「交換品」は値引きしなくても売れるので、値崩れしにくい商品です。消費増税前に購入準備しておいてもよいでしょう。

値崩れしにくい物などは消費増税前、いますぐに購入してもよいのです。その反面、値崩れが予想される物は駆け込む必要はありません。慌てて買わないで、必要性に応じて吟味できる目を養いましょう。

花輪陽子phpto2花輪 陽子(ファイナンシャルプランナー)
CFP認定者、1級FP技能士。外資系投資銀行を経てFPに。「夫婦で貯める1億円!」「貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで」などの著書やテレビ出演、雑誌監修など多数。
https://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/03/152064_main-400x2501.jpg
連載 賢い住まいのマネー術 住まいに関する支出は、家庭の大きな割合を占めるもの。保活から住宅ローン控除まで、住まいに関する家計管理や節約術に定評のあるファイナンシャルプランナー(FP)の花輪陽子さんが解説します。
8
前の記事 家賃はやっぱり月収の3割に抑えるべき? 新社会人の家計相談
次の記事 変動金利で借り過ぎた!?住宅ローン“低金利時代”の注意点 賢い住まいのマ…
SUUMOで住まいを探してみよう