【7月5日 CNS】中国の自動車業界メディア関係者が、ソーシャルメディア(SNS)の微博(ウェイボー、Weibo)に、一汽豊田(FAW TOYOTA Motor Sales)の「クラウン」が2019年2月以降中国市場から撤退すると書き込んだ。

 同社の公式ウェブサイトを見てみると、レイツ(Reiz)とランドクルーザー(Land Cruiser)の2車種はすでに表示されておらず、クラウン(Crown)は「2.0Tタイプ」のみ販売しているようだ。同社カスタマー・センターは、クラウンが撤退するという情報はまだ入ってきていないとしている。

 自動車業界のアナリスト鐘師氏は、メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)やBMW、アウディ(Audi)、キャデラック(Cadillac)、ジャガー・ランドローバー(Jaguar Land Rover)といった高級車が続々と中国市場に参入している中、存続が厳しくなったクラウンが生産中止になるのは自然なことだと分析している。

 実際に、クラウンの中国での生産中止は一汽豊田内部でも大きなニュースではないようだ。今年4月に一汽豊田の田青久(Tian Qingjiu)総経理は北京で行われた自動車展示会でメディアのインタビューを受けた際、「一汽豊田は調整期に入っており、今年は4車種の撤退を考えている」と話していた。

 中国が進めている、自動車企業へ一定の新エネルギー車の生産を義務付ける「双積分」政策の影響を指摘するアナリストもいる。

 歴史の長い日系高級車のクラウンだが、鐘氏は、「実際は時代遅れになりつつある。品質はもちろん申し分ないが、デザインや外観、内装など、どうしても古臭く感じる。高級さとおしゃれを両立するのは難しい」と話す。

 業界関係者は、「伝統的な日本の高級車は材料や技術、乗車スタイルまでとことん追求してきた。しかし現在は、中心となる消費者はみな若者だ」と指摘する。

 6月26日に15代目クラウンが日本で発表されたが、高コストが足かせとなって日本から脱出できないだろうとみる向きもある。
鐘氏は、「クラウンは日本では高級車としての需要があるため、少量は残るだろう」と話した。(c)CNS/JCM/AFPBB News