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PS4の販売台数拡大でXbox Oneが苦境に、Xboxの独占配信タイトルにも影響か?

by Hardik Sharma

Star Wars バトルフロント II」や「FIFA 18」、「バトルフィールド」などの人気ゲームタイトルを数多く手がけてきたElectronic Arts(EA)のブレイク・ジョルゲンセンCFOが、2017年末までのXbox OneおよびPlayStation 4(PS4)の販売台数を発表し、大きな開きがあるということで話題になっています。

PlayStation Sales Double Xbox One’s in 2018 – Variety
http://variety.com/2018/gaming/news/xbox-one-sales-2-1202804149/

PS4 expands its sales lead, now 71% of “two-console” market with Xbox One | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2018/05/report-ps4-has-now-sold-roughly-2-5-times-as-well-as-the-xbox-one/

EAが投資家向けに行った電話会議の中で、「2017年末までのXbox Oneの販売台数が約2940万台」という数字を明かしました。Microsoftは正確な販売台数を明かしておらず、2940万台という数字について「不正確な予測だ」とニュースサイトのVarietyに対してコメントを出していますが、EAはXbox One向けに人気ゲームタイトルを複数リリースしている大手パブリッシャーであることから、実際はかなり近い数字なのではと考えられています。Microsoftは正確なXbox Oneの販売台数を明かしていませんが、Xbox 360/Xbox One向けのオンラインサービスであるXbox Liveの月間アクティブユーザーは5900万人であるとしています。

Sony Interactive Entertainmentは公式に2017年末までのPS4の販売台数が7360万台であると発表しているため、Xbox Oneの販売台数が約3000万台と仮定すれば、約2.5倍もの販売台数の差が存在することとなります。


PS4と比べるとXbox Oneは明らかに販売不振に陥っているわけですが、これは特定の地域でXbox Oneの販売が思うように伸びていないことが原因と考えられます。調査会社のNPDによると、MicrosoftのXboxシリーズは歴史的に日本市場での販売台数で伸び悩む傾向にあり、実際Xbox Oneの4K対応版となるXbox One Xは初週販売台数がわずか1344台で海外メディアでも話題になりました。

過去にはXbox Oneの販売台数を公表していたMicrosoftですが、数年前から報告を停止しており、数年前からは販売台数よりもエンゲージメントこそが「成功の鍵となるメトリックだ」としています。Microsoftは展開するゲームビジネスの健全性をアピールするために「Xbox Liveの月間アクティブユーザーは5900万人である」という数字を出していますが、「その数の多くはWindows 10のXboxアプリを使っているユーザーであり、Xbox Oneユーザーではない可能性が高い」と海外メディアのArs Technicaは指摘しています。

2015年、Microsoftのゲーム部門の統括者であるフィル・スペンサー氏が、「マーケットシェアは重要だが、シェアよりも重要なのは新しい顧客を獲得しているか、その顧客はゲームを購入しているか、そしてサービスを利用しているかだ」と語っており、MicrosoftはPS4との相対的な販売台数の比較は軽視していることが明らかになっています。また、「ソニーと任天堂は成功を収めることができていますが、それによりMicrosoftの野心が犠牲になるということではない」とも語っており、他のゲーム端末との比較を嫌う趣旨の発言もしています。

Microsoftによる最新の四半期報告では、ゲームソフトの売上高が18%増加しており、Xbox関連のソフトウェアおよびサービスの売上高も24%増加しています。しかし、MicrosoftはXbox One(Xbox One SやXbox One Xを含む)の販売による収益をゲーム全体の収益から分離して公表していないため、Xbox Oneのハードのみで利益をあげることができているかどうかは不明です。なお、過去にテクノロジー分野の分析などを行うPaul Thurrottは、「Microsoftのゲーム部門は利益をあげたことがない」と断言しています。


さらに、PS4が販売台数を伸ばしている現状は「ひとつのゲーム機だけをターゲットにゲームをリリースするパブリッシャーやゲーム開発者にとって、Xbox Oneはあまり魅力的ではないということを意味する」とArs Technicaは指摘。3000万人規模のユーザーを大きなゲームメーカーが無視することは簡単ではありませんが、PS4ならば2倍以上のユーザーがいるという事実も無視することはできません。

MicrosoftはPS4と同じくらい大きな予算でビッグタイトルを開発しておきながら、途中で開発を中止にした事例複数あります。Xbox Oneの販売台数が伸び悩めばMicrosoftが開発するゲームタイトルについても大きな予算を割り当てることが難しくなります。

Xbox 360が発売された際はライバル機のPS3よりも好調に販売台数を伸ばすことに成功したMicrosoftですが、Xbox Oneでは販売台数を大きく引き離されていることが明らかになったわけです。ここから販売台数を巻き返すことができるのか、それとも次世代ゲーム機で攻勢に転じることとなるのか、今後の展開に興味は尽きません。

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in ハードウェア,   ゲーム, Posted by logu_ii

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