Office 2013/2016のプロダクトキーをコマンドラインで確認・変更するTech TIPS

複数のMicrosoft Officeライセンスを持っていると、どのPCにどのプロダクトキーを設定したのか分からなくなることがある。このような場合、「OSPP.vbs」を使って、プロダクトキーを確認したり、置き換えたりすることができる。

» 2018年07月19日 05時00分 公開
[小林章彦デジタルアドバンテージ]
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対象:Microsoft Office 2013/2016


 複数のMicrosoft Officeライセンスを持っていると、どのPCにどのプロダクトキーを設定したのか分からなくなったり、新規インストールして起動すると「アクティベーションの上限に達してしまいました」という画面が表示されたりすることがある。

Office 2013のライセンス認証ウィザードの画面 Office 2013のライセンス認証ウィザードの画面
再インストールを繰り返すなどしていると、入力したプロダクトキーがライセンス認証回数を超えているというエラー画面が表示されることがある(Office 2013の例。Office 2016も同様の画面が表示される)。このような場合、電話による認証が必要になる。ただ、新しいプロダクトキーを持っているならば、そのプロダクトキーに変更するという手もある。

 プロダクトキーを調べたり、別のプロダクトキーに変更したりするのは、Officeの画面で行うことはできない。そこで、本稿ではOfficeのプロダクトキーを操作する方法を解説する。

OSPP.vbsを使ってコマンドラインでプロダクトキーを操作する

 このような場合、Officeソフトウェア保護プラットフォームスクリプト「OSPP.vbs」を使って新しいプロダクトキーに置き換えればよい。「OSPP.vbs」は、Officeと共に、以下のフォルダにインストールされている。

Officeのバージョン インストール先
64bit版Office 2013 C:\Program Files\Microsoft Office\Office15\
32bit版Office 2013 C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\Office15\
64bit版Office 2016 C:\Program Files\Microsoft Office\Office16\
32bit版Office 2016 C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\Office16\
Officeのバージョンとデフォルトのインストール先

 管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを実行する(コマンドプロンプトを素早く管理者権限で開く方法は、Tech TIPS「Windows 10でコマンドプロンプトを素早く起動する方法」を参照のこと)。なお「OSPP.vbs」は、「cscript.exe」スクリプトエンジンを使って実行する。

cscript "C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\Office15\OSPP.vbs" /inpkey:<新しいプロダクトキー>
cscript "C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\Office15\OSPP.vbs" /act

新しいプロダクトキーを設定するコマンド

OSPP.vbsでプロダクトキーを置き換える OSPP.vbsでプロダクトキーを置き換える

 OSPP.vbsの主なオプションは以下の通りだ。プロダクトキーをアンインストールして、Officeを起動すれば、ライセンス認証ウィザードが起動するので、そこで新しいプロダクトキーを入力してもよい。

オプション 説明
/act インストールされているOfficeのプロダクトキーでライセンス認証する
/inpkey:<プロダクトキー> ユーザーが指定したプロダクトキーを使用して、プロダクトキーのインストールを行う(既存のキーを置き換える)
/unpkey:<プロダクトキー末尾5桁> アンインストールするプロダクトキーの末尾5桁(/dstatusオプションによって表示)を指定して、インストールされているプロダクトキーをアンインストールする
/dstatus インストールされているプロダクトキーのライセンス情報を表示する
主なOSPP.vbsのオプション

 プロダクトキーをアンインストールする場合、まず/dstatusオプションでライセンス情報を表示し、インストールされているOfficeのプロダクトキー(末尾5桁のみ表示)を確認する。その後、/unpkey:<プロダクトキー末尾5桁>オプションでアンインストールする。

 /dstatusオプションで表示される情報には、プロダクトキーが複数表示されることがある。このような場合は、全てのプロダクトキーに対してアンインストールの処理を行えばよい。

cscript "C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\Office15\OSPP.vbs" /dstatus cscr
cscript "C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\Office15\OSPP.vbs" /unpkey:<プロダクトキー末尾5桁>

プロダクトキーをアンインストールするコマンド

コマンドプロンプトでプロダクトキーをアンインストールする コマンドプロンプトでプロダクトキーをアンインストールする
Excelのエラーダイアログ Excelのエラーダイアログ
プロダクトキーをアンインストールしてExcelを起動した場合、このようなエラーダイアログが表示されることがある(アクティベーションウィザードが起動する場合もある)。
[プログラムと機能]ダイアログ画面 [プログラムと機能]ダイアログ画面
Officeの修復を行うには、[プログラムと機能]ダイアログを開き、該当するOfficeを選択して、[変更]をクリックする。
Officeのインストールオプション変更画面 Officeのインストールオプション変更画面
このようなOfficeのインストールオプション変更画面が表示されるので、ここで「プロダクトキーの入力」を選択し、新しいプロダクトキーを入力すればよい。

 なお、ここでプロダクトキーのアンインストールを行っても、残念ながらライセンスサーバ側は更新されない。そのため、アクティベーション回数を過ぎたプロダクトキーをアンインストールした後、別PCでアクティベーションしようとすると、やはり「アクティベーションの上限に達してしまいました」と表示されてしまう。この場合は、電話によるライセンス認証を選択して、ライセンスを移行することを説明する必要がある。

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