電子書籍取り次ぎに関するオペレーション業務を行うメディアドゥテック徳島の従業員=徳島市川内町

 電子書籍取次大手メディアドゥ(東京)などが2017年3月、徳島市に設立した合弁会社・メディアドゥテック徳島が、事業量の増加につれ、組織を拡大させている。メディアドゥから業務を順次移管しており、今春には新卒の定期採用を始め、17年6月の事業開始時に6人だった従業員は、現在50人になった。さらに地元雇用を進め、5年以内に100人体制を目指す。

 メディアドゥテック徳島は、メディアドゥと、ソフトウエア開発などを手掛けるテック情報(板野町)、同社子会社の徳島データサービス(徳島市)の3社が設立。電子書籍のデータセンターへの登録や、書籍ファイルに破損がないかの確認、販売サイトの更新、バナー広告の作成など、出版社から電子書籍を仕入れて電子書店に卸す「取り次ぎ」に関するオペレーション業務を行っている。

 人員の確保と育成を進めながら、メディアドゥから一部業務を移しており、従業員は18年2月期末に22人に増加。今春初めて実施した新卒採用で徳島、四国、徳島文理の3大学から5人が入社するなど、規模拡大を加速させている。売上高は、18年2月期の412万円に対し、19年2月期は8060万円を見込む。

 5年以内にメディアドゥが行う「取り次ぎ」に関する全てのオペレーション業務を移管させるほか、システム開発などにも取り組む方針。体制が整えば、東京のメディアドゥ本社から開発責任者を招き、徳島でも東京と同水準の創造的な仕事ができる環境を整えるという。

 これらを見越し、新卒者5人のうち3人はシステム技術者として採用した。現在はメディアドゥ本社で研修を受けている。

 メディアドゥ会長でメディアドゥテック徳島の社長も務める藤田恭嗣氏=那賀町出身=は「5年後にはメディアドゥの下請けではなく、メディアドゥテック徳島発のIT事業が生まれるようなクリエーティブな企業に成長させたい」と話した。