香川県が行っている3つのインバウンド対策とは?訪日外国人の8割がアジア圏・人気スポットも解説

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香川県は、2010年の瀬戸内国際芸術祭の開催や2011年の「うどん県」キャンペーンを皮切りに、国内外からの観光客の誘致に力をいれてきました。

それ以降インバウンド誘客が好調な香川県では、行政から民間、地域を挙げたさまざまなインバウンド対策を継続的に講じています。

この記事では、香川県が行っているインバウンド対策とインバウンド事例について紹介します。


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香川県のインバウンド事情は?

香川県が発表した「平成30年 香川県観光客動態調査報告(速報版)」によると、2018年の県外観光客入込数は941万6,000人となり、2018年7月の記録的な大雨などの異常気象の影響もあって前年に比べ0.5%減少したものの、6年連続で900万人を超える観光客が香川県を訪れました。

さらに2018年には、高松空港のソウル線増便によりインバウンド数が増加しています

6年連続900万人超!香川県「観光客動態調査報告」を発表

[cta_toc_upper_banner] 目次 インバウンド数は堅調に推移 インバウンド増の要因は高松空港と海外を結ぶ直行便

前年比外国人観光客伸び率、驚異の241%!

楽天が提供する旅行予約サービス楽天トラベル」が発表した「2016年訪日旅行(インバウンド)の人気上昇エリアランキング」で、香川県は2015年のトップ10圏外から前年比241%増という驚異的な数字を記録し、1位を獲得しました。

また、観光庁発表の2016年のデータをまとめた「宿泊旅行統計調査(平成28年)」では、香川県は外国人延べ宿泊者数が前年比70.3%増加したことがわかりました。

香川県を含む瀬戸内の島々では、2016年に瀬戸内国際芸術祭が開催され、外国人観光客増加の要因の一つと考えられます

【香川県】インバウンド観光客 前年比241.6%の伸び率で増加した2つの理由:地方誘致の成功例

訪日外国人観光客数が初めて2,000万人を突破し、2016年はインバウンド業界にとって記念すべき年になりました。 [blogcard url=”https://honichi.com/13991”] 矢野経済研究所の調査では、来年2017年の

訪れる外国人観光客はアジアからが8割

観光庁が発表した「宿泊旅行統計調査(平成30年)」によると、香川県を訪れた外国人観光客の8割はアジア圏からの観光客で、国別では台湾27%、中国19%、韓国17%、香港16%という構成比です。

香川県は2010年より高松空港への国際線誘致に力を入れてきました。前述のいずれの国も高松空港への直行便が就航していることから、国際線誘致活動が功を奏し、その結果として香川県を訪れる人が多かった、ということが読み取れます。

リピーター多数、市場ごとに異なる傾向:アジア圏は訪日回数6回以上、欧米豪は2・3回

香川県を含む四国は、訪日観光のリピーターによる訪問が多いという調査結果があります。

日本政策投資銀行の四国支店が発表した「訪日外国人旅行者の四国に関する意向調査(2017年調査)」では、アジア圏からの四国訪問経験者で、訪日した回数が6回以上という人の割合が28.5%となっています。

これは、訪日経験者全体(10.9%)の2.6倍にあたる数値で、四国を訪れるアジア圏からの外国人観光客は、何度も日本を訪れているリピーターであることがわかります。

一方、欧米豪からの四国訪問経験者では、訪日した回数が2・3回の人の割合が53.5%を占めています。

欧米豪からの外国人観光客は長い滞在時間で広域周遊を行う傾向があり、比較的訪日回数が少ない時点で四国を訪れている一方で、アジア圏からの外国人観光客は短期間の滞在で何度も日本を訪れているという傾向が反映されています。

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香川県で外国人に人気なスポット・イベントは?

インバウンド人気が増加している香川県ですが、外国人観光客はどこに足を運んでいるのでしょうか。

香川県内で外国人に人気のスポットとイベントを紹介します。

1. 瀬戸内国際芸術祭

瀬戸内国際芸術祭は、2010年から続く3年に1度開催されるアートイベントです。瀬戸内海に浮かぶ12の島と2つの港をフェリーで巡りながら現代アートを愉しむことができるアートの祭典で、現代アートを通して島の歴史から生活、文化を垣間見ることができます。

2016年に開催された来場者を対象にしたアンケート結果によると、総来場者数は104万人訪日外国人観光客は14万人も訪れました。

2. お遍路のコト体験

お遍路とは、弘法大師空海にゆかりのある四国88か所のお寺を巡ることです。全行程1,400キロを越えるお遍路は、徒歩による聖地巡礼が世界的なブームになっていることから、近年訪日外国人のお遍路さんが増加傾向にあります。

特に欧州人からは、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路と似ているとして人気を集めています。

高松市のNPO法人「遍路とおもてなしのネットワーク」が発表した「外国人歩き遍路の多い国・地域トップ10」では、平成29年7月から平成30年6月までに歩き遍路を達成した外国人遍路客の第1位はフランスで66人となりました。

3. ミシュラン3つ星に掲載された栗林公園

高松市にある栗林(りつりん)公園は、名勝地として特に価値が高い「特別名勝」に指定されている文化財庭園です。

高松藩主であった松平家の別邸として作られた栗林公園は、2009年に「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」にて最高評価の三ツ星を獲得し、2016年にはトリップアドバイザーが発表した「外国人に人気の観光スポット」で15位に選出されたこともあります。

春と秋にはライトアップ期間が設けられ、期間内には季節のテーマに沿ったフォトコンテストが実施されています。そして、公園庭師とマツを始めとする樹木の剪定実演を見ながら、庭木のお手入れポイントなどを解説するガイドツアーや、多言語音声ガイドの貸し出しなど、観光客増加のための取り組みが実施されています。

香川県が行っているインバウンド対策は?

外国人観光客に人気のスポットやイベントを持つ香川県では、どのようなインバウンド対策を行っているのでしょうか。

香川県が取り組んでいるインバウンド対策について解説します。

1. 香川県多言語コールセンター

香川県では、外国人との円滑なコミュニケーションや多言語表示の支援をするための「多言語コールセンター」を開設しています。このサービスは外国人観光客が言葉の壁や情報収集の不自由さを感じることなく、快適に滞在できる環境を整えることを目的にしています。

多言語コールセンターでは、通訳のみならず日本語文と外国語文の相互翻訳を行い、2019年10月以降、宿泊施設や飲食店、タクシーの予約代行サービスも開始し、支援の強化がなされました。

言語は9言語に対応し、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、タイ語は24時間、フランス語とカタログ語は10時~19時で365日対応しています。

2. かがわWi-Fi

香川県では「誰でも」「無料で」「簡単に」利用できる「かがわWi-Fi」という無料公衆無線LANサービスを提供しています。かがわWi-Fiは、国内外からの観光客や来訪者が観光情報や交通情報、災害発生時の緊急情報を素早く入手するためのサービスです。

2018年2月時点では、県内に891か所のWi-Fiスポットが設置されています。香川県は、新たにかがわWi-Fiのアクセスポイントを設置する市や町、民間事業者に補助金を交付し、Wi-Fiスポットを増やすための支援を続けています。

3. うどん県旅ネット(観光情報サイト)

インバウンド対策には、香川県観光協会が運営する公式サイト「うどん県旅ネット」も活用されています。

英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語、タイ語と多言語に対応しており、観光スポットやモデルコース、グルメ、イベント情報を発信し、航空券などの交通機関から宿、ツアー、体験プログラムの予約ができるようになっています。

うどん県旅ネットでは、香川県の観光素材写真が無料でダウンロードができるようになっており、香川県のPRに利用してもらえるような工夫が施されています。

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成功事例から効果的なインバウンド対策を

香川県は、国際線の誘致や多言語コールセンター、Wi-Fiスポットの整備、観光情報サイトの整備など行政を挙げた対策と、瀬戸内国際芸術祭など民間や地域が主体となる長期的なインバウンド対策に取り組んできました

香川県のインバウンド対策は、「今あるもの」を最大限に活用し、磨き上げたインバウンド成功事例といえるでしょう。

しかし、一方で欧米豪での四国の認知度が低いという結果もあります。香川県の今後のインバウンド誘客は、ほかの四国エリアや瀬戸内エリアとの連携で、アジア圏を越えて香川県をアピールできるかが鍵となりそうです。


<参照>

うどん県旅ネット:平成28年 香川県観光客動態調査報告

観光庁:宿泊旅行統計調査 (平成30年・年間値(速報値)) 

日本政策投資銀行:訪日外国人旅行者の四国に関する意向調査(2017年調査)

日本政策投資銀行:インバウンド客が香川県にもたらす 地域経済効果の最大化に向けて ~他県の事例分析を基に考える~ 

産経新聞:フランス人が占拠!? 四国お遍路事情

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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