「玉子とじ料理」と聞いて、何を思い浮かべますか?
かつ丼や親子丼を想像する人が多いのではないでしょうか?
おそらく、ここで「ラーメン」を思い浮かべる人はほとんどいないと思いますが、なんと名古屋には「玉子とじラーメン」なる名物があるのです。
今回は、「玉子とじラーメンといえばココ!」という元祖玉子とじラーメンのお店「萬珍軒(まんちんけん)」を紹介します。
台湾ラーメンほどメジャーではないにしろ、名古屋名物といえる玉子とじラーメン。味噌カツやひつまぶしといった名古屋の味も良いですが、この玉子とじラーメンも名古屋ならではの味で相当オススメなんです!
ではさっそく紹介しますね。
濃厚玉子スープが麺にとろ~り絡む!定番「玉子とじラーメン」
まずは定番の「玉子とじラーメン」(税込730円)から。ぱっと見た感じは普通の美味しそうなラーメンですね。
濃厚そうなスープに、チャーシュー、海苔、刻みネギ。親子丼やニラ玉的な「玉子とじ」を想像していると面食らいます。
しかし、スープをすくってみると……
ほわほわした玉子の小さなかけらが!
親子丼やニラ玉などのモッフリした玉子とは違い、ほわっほわに細かく溶け込んでスープと一体化しているのです。
厳選豚骨&名古屋コーチンの旨味が溶け出した深みのあるスープと、ほわほわな優しい玉子が合体し、濃厚にそしてまろやかに仕上がっています。
がっつり濃ゆい旨味とともにやってくる、ほわほわした優しい玉子の食感。玉子がスープに溶け込んでいるのか、スープが玉子に包まれているのか……どちらが優勢ということもなく、完全に調和しています。
ここまでの一体感を味わえるのは、元祖玉子とじラーメンならではだと思います。とっても優しい口当たり。延々と飲んでいられますよ、このスープ……。ただの鶏ガラではなく、名古屋コーチンの鶏ガラを使用しているのも美味しさの秘訣ですね。
麺はこだわりの特注極細麺。このスープのために特注しています。とろっとした玉子とじスープが絡みつき、一口すするたびにまろやかで濃厚な風味が口いっぱいに広がります。まさに「麺がスープを口に運んでくれる」という感じ。最高すぎます……!
これだけ麺に絡みつくスープだと、普通は背脂たっぷりのこってり系であることが多く、後々胃に重くのしかかりがちです。しかし、このラーメンのとろっと感の理由は「玉子」なので、クドさは全くなく、見た目よりもさらっと食べられちゃう。「もう若くない世代」には大変ありがたい……!
さらに、チャーシューが玉子とじスープと相性抜群で最高にウマいんです……!さらっと食べられるラーメンなので、チャーシュー麺にしてもペロリといけそうです。
胃に優しくありつつ、まろやかな濃厚さで大満足感をもたらしてくれるという、最高のラーメン。深夜まで営業しているので、呑んだあとのシメにも最適です!
担々麺の玉子とじはゴマの風味が閉じ込められていっそう旨くなる
定番玉子とじラーメンも美味しいですが、イチオシはこれ!「玉子とじ担々麺」(税込850円)。
担々麺までも玉子とじされています。「せっかく辛いのに玉子でまろやかにとじちゃうの?」という声が聞こえてきそうですが、とじちゃいます。
だって、たっぷりの旨味&心地よい辛さのスープをより味わい深くしてくれる上、香り高い胡麻の風味をがっつりと閉じ込めてくれるんだもの……!
スープに使われている胡麻は、トルコ産金胡麻。普通の胡麻よりも一回り大きいので香りと旨味が強く、さらに食感を損なわないようお店で挽いているそうです。
確かに、口に含んだ瞬間の胡麻感の広がりがすごい!これは胡麻自身の力だけでなく、玉子でとじて風味を閉じ込めた効果もあると思います。玉子とじの力、半端ない……!
スープにはこだわりの胡麻以外にも、2種類の唐辛子、さらに漢方でおなじみの八角など数種類のスパイス、そして黒酢も加わっています。これ、きっと体に優しいから毎日食べても許されるレベルでは……?
具材もひき肉やもやし、ニラ、刻みネギ、温玉とたっぷり。
先ほど紹介した玉子とじラーメンと同じく、玉子とじ担々麺も細麺なので、具材やスープがしっかりと麺に絡みます。さらに途中途中、もやしのシャキシャキ感に遭遇するので、飽きることなく最後までペロリと食べられちゃいます。
辛さは、唇がビリビリするような鋭さはなく、後からじんわりくるタイプ。ただただ辛いわけではなく、胡麻や黒酢、複数のスパイスのおかげで深みがあり、玉子や胡麻で程よくマイルドになっているのでとても食べやすいです。ガツン!とくるのではなく、いろんな旨味や辛さがじわ〜〜〜っと広がります。ゆっくり噛み締めたくなる担々麺です。
シンプルな玉子とじラーメンもいいですが、この担々麺もイチオシです……!
玉子とじラーメンだけではない!一品料理もかなりオススメ
玉子とじラーメン、担々麺と紹介しましたが、実は萬珍軒、ラーメン屋さんではなく中華料理屋さんなんです。玉子とじラーメンが有名なので、てっきりラーメン屋さんと思っていましたが……。
とはいえ、萬珍軒のスタートは昭和41(1966)年に先代が始めたラーメン屋台だそうです。昭和43(1968)年に現在の場所で店舗営業を開始。そして玉子とじラーメンが開発されてじわじわ評判になっていたところ、とある映画評論家によって「名古屋の玉子とじラーメン」と紹介され一躍有名になったんだとか。ラーメン屋台にルーツがある中華料理店、どうりで麺類がめちゃめちゃ美味しいわけですね。
もちろん、中華料理店ならではの一品料理も豊富です。
チャーハンや天津飯などのご飯物や、四川麻婆豆腐や青椒肉絲、青菜炒めなど一品料理、加えて杏仁豆腐やマンゴープリンなどのデザートも。ラーメンをメインに食べに来るのもいいですが、いろいろな料理を頼んで皆でシェアして、飲みながらわいわいするのにも良さそうなラインナップです。
どれもこれも美味しいですが、その中から特にオススメなメニューを2品ご紹介します。
厚さ0.5mm!極薄の皮がパリッパリな餃子
まずは餃子(税込400円)。中華料理店の定番ともいえるメニューはやはり外せません。
メニューに「おすすめ!」の太鼓判がある餃子は、ひとくちサイズの小さめなので一人前で8個あります。
実はこの餃子の皮は、こだわりの特注品。なんと厚さが0.5ミリしかない、極薄の皮なんです!
皮が薄いから、焼きあがった餃子はまるで羽根つき餃子のようなパリッパリ感。
ひとくちサイズなので火傷に気をつけつつ丸ごと口に放り込むと、パリリッとした後にジューシーな肉餡がジュワッときます。 この美味しさレベルは完全にビール案件……!
皮が薄く食べ心地が軽やかなので、8個あってもぺろっと食べられます。持ち帰りもできますが、ぜひともパリパリの焼きたてを味わってほしい一品です。
人気No.1に納得感しかない…!ぷりっぷり食感と絶品ソースがたまらないエビマヨ
数ある一品料理の中で、個人的にぜひとも食べてほしい一品料理がこちら。
萬珍軒の一品料理で一番人気を誇る、エビマヨ! 税込1,100円とちょっと値が張りますが、もうこれは本当に注文すべき一品です。行くたびに頼みたい。なんならお店で食べた上でテイクアウトして家でも食べたい(実際にテイクアウト可能です)。
まず、プリッッップリすぎるエビがたまらないんです。どうやったらこんなにプリプリに?というくらいの食感。噛み切るときにポリッと音がするくらいです。
そしてなによりたまらないのがソース……!マヨネーズベースでこってりした甘みがあり、チリソースも混ざっているんでしょうか、マヨネーズだけでは出せない酸味と旨味があります。ぷりっぷりのエビとの相性は言うまでもなく最高。
エビマヨについてくるこのサクサクの揚げ物を、エビマヨソースにつけて食べるのがもうたまりません。エビやこの揚げ物以外にも、いろんなものを絡めて食べたくなるほどの美味しさです。ぜひともこのソースを瓶詰で売ってほしい……!
玉子とじのおかげでラーメン類はわりとさらっと食べられるので、ぜひこれらの一品料理も注文することをオススメします。ちなみに麺類以外はすべてテイクアウト可能とのこと。家へのお土産に何か買って帰るのもアリですね。
駐車場完備!地下鉄最寄り駅からは徒歩5分
萬珍軒は地下鉄でも車でもアクセスしやすいです。地下鉄なら、名古屋駅から桜通線で一駅の「中村区役所駅」が最寄りです。4番出口を出てセブンイレブンの方へまっすぐ3分ほど歩けば到着です。名古屋駅からも徒歩圏内。だいたい15分くらいです。
また、車でも安心の駐車場完備。お店のすぐ隣のほか、もう2カ所あります。
営業時間は17:30〜2:30までと深夜まで営業していますが、売り切れることもあるようです。平日の夜でも、夕飯にちょうどいい時間にはかなり待つことも。カウンターとテーブル席あわせて結構な席数がありますが、休みの日には行列ができることもあるので、時間に余裕をもっていくことをオススメします。
また、定休日が日曜と第3月曜なので、旅行で立ち寄る場合はご注意ください。
並びはしますが、それでも食べたくなるほど美味しい玉子とじラーメン。味噌カツやひつまぶしなどの定番名古屋メシも良いですが、ぜひ名古屋ならではの玉子とじラーメンも食べてみてくださいね!
紹介したお店
※この記事は2018年10月時点の情報です。
書いた人
犬飼つな。「力尽きたときのための簡単ズボラ飯レシピ」の中の人です。疲れたときこそちゃんとしたごはんが食べたい派。初心者でも作れる簡単ズボラなレシピをこよなく愛しますが、(お財布が許してくれる限りで)外食も大好きです。