豊田合成、心臓の鼓動再現 手術シミュレーターを開発
次世代ゴムで心臓の鼓動を再現――。豊田合成は2日、医療機関向けの手術訓練シミュレーターの試作品を開発したと発表した。同社が医療機器を手掛けるのは初めて。電気を流すと筋肉のように動く次世代ゴム「e―ラバー」でヒトの心臓の鼓動を正確に再現し、若手医師などの実習で活用を見込む。
「SupeR BEAT」の商品名で2019年秋の発売を目指す。心臓手術の訓練シミュレーターなどを手がける早稲田大発ベンチャー、イービーエム(東京・大田)と共同開発した。豊田合成も自動車部品でゴムや合成樹脂の知見がある。
医療現場では手術の高度化に伴い安全性が一段と重要になっているが、現行の手術シミュレーターでは合金を熱で伸縮させて心臓を模擬的に動かしている。ゴム素材はより柔らかく細かな動きが再現できるため、不整脈による複雑な鼓動や幼児の速い拍動など様々な状況を想定できるという。
豊田合成は「手術訓練装置の需要は急速に高まっている」(豊田合成)として、新たな事業の柱に育てる考えだ。