『進め!キノピオ隊長』をファミコン風に“デメイク”する映像がキュート。『マリオUSA』成分が混ぜてレトロ調に


海外メディアNintendo WireがYouTubeにて『進め!キノピオ隊長(英語名:Captain Toad: Treasure)』のデメイク映像を投稿している。デメイクとは、現代のゲームをクラシックなものに作り変えることを指す。リメイクが古典的なゲームを現代向けに蘇らせることに対し、デメイクは現代的な作品をあえて古典的な作品に作り変えるというもの。Wii Uにて発売され、今月7月13日にはニンテンドー3DSおよびNintendo Switch向けに発売される最新作を、ファミコン風にするというのが映像の趣旨だ。

公開された映像では、8bit時代を思わせるクラシックなグラフィックにて、キノピオ隊長の冒険が描かれる。ゲームは鳥瞰視点となっており、ステージがすべて見える状態で隊長がゴールを目指す。横スクロールとは異なる、かわいらしいキノピオや敵のドット絵が確認できる。チップチューンにアレンジされているが、BGMもまさしくキノピオ隊長のテーマだ。カブを引き抜き、敵に投げつけて倒すという本編でもおなじみのシーンも。ただし、終盤からドン・チュルゲが登場し、投げつけてくる爆弾を投げ返し倒すといった場面や、BGMなどやたらと『スーパーマリオUSA』要素が埋め尽くす。キノピオの初登場が同作であったことと、関連させているのだろう。

Nintendo Wireは、YouTubeにて定期的にデメイク映像を公開している。前回公開した『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』をゲームボーイ風にアレンジした映像を投稿し、大きな注目を集めた。『ゼルダの伝説 夢をみる島』シリーズを思わせるグラフィックに、mWIND氏がリミックスした8bitサウンドをプラス。ピクセルアートながら壮大な演出を導入し、投稿したYouTubeの動画の再生回数は80万回を超えている。

そのほか、5月中旬には『大乱闘スマッシュブラザーズ』をスーパーファミコン風にデメイクする映像を投稿。もし『スマブラ』がスーパーファミコンに出ていたらと考える人もいるだろう。ファミコンやゲームボーイよりは幾分か進化したグラフィックにて、リンクとカービィが戦う姿が映し出されている。『大乱闘スマッシュブラザーズDX』から登場し、タイマンするにもってこいのステージとして親しまれている終点を舞台に、戦いが繰り広げられる。いずれの映像にしても、純粋な再現というよりは、アレンジを加えた再解釈をまじえた作品になっている。

これまで、こうしたデメイク作品といえばファンゲームとして配布されていたが、昨年任天堂が話題を集めたいくつかのファンゲームに公開停止を要請をして以来、“大型ファンゲーム”は現れていない。しかしその分、こうしたファンメイド作品を映像で完結させようという動きが目立っている。Nintendo Wireも単にデメイク映像を公開しYouTubeにて収益をあげようとするのみならず、Patreonに加入し毎月5ドル払えばデメイク動画で使用したアセットをすべて入手できると宣伝している。動画自体がIPを利用したもので、使われている素材も既存タイトルのものが含まれていることを含めて考えると、形態としては商用二次利用に近い。同メディアがそれを自覚しているか定かではないが、ファンゲームを作っていたユーザーやメディアは形を変えて、任天堂タイトルの二次創作をおこなっているのだろう。

Wii U版から進化を果たすNintendo Switch/ニンテンドー3DS向け『進め!キノピオ隊長』は、7月13日に発売予定だ。