単刀直言

福田康夫元首相 南京記念館の訪問「展示内容の修正評価」「鳩山元首相のときとは展示物違う」

福田康夫元首相 (酒巻俊介撮影)
福田康夫元首相 (酒巻俊介撮影)

6月24日に(中国江蘇省の)南京大虐殺記念館を訪問したのは、私の希望でした。

小学校進学前におやじ(福田赳夫元首相。当時は大蔵官僚)の仕事(汪兆銘政権の財政顧問=1941~43年)の関係で南京に住んでいた。私は3カ月間だけの生活だったが、異質の体験だったね。(南京事件があったとされる37~38年の後だったにもかかわらず)現地の中国人は非常に親切にしてくれたんだな。あのときの南京に対するあこがれというか望郷というか、そうした思いが以前からあったんです。

説得力はあった

その後2回、南京を訪れたことがあるが、記念館には足が向かなかったし、行く気にもなれなかった。マネキンを使った展示物などがあまりにもおどろおどろしいと聞いていたからです。しかし、2014年に習近平国家主席が記念館を訪問した後、内容が随分入れ替えられたと聞いた。それならばぜひ行ってみたいと。

さらに、日本テレビが2カ月前ぐらいに放送した「NNNドキュメント『南京事件II』」をたまたま見てね。旧陸軍が焼却し地中に埋めた資料を掘り起こして残った部分をつなぎ合わせたり、当時の従軍兵の日記を集めたりした内容で、やはり旧日本軍が中国人を殺したことは事実なんだなあと。行こうという思いを強くしたわけです。

時間の都合上、すべてを見学することはできなかったが、写真や文書を中心とする実物主義というか記録主義という感じで、納得できるようなものが多く、説得力はあったと思う。

記念館の館長は、南京の城内の人だけでなく、そこに至るまで日本軍が戦争しながら殺害した人も30万人に入っているというふうな感じの説明をしていた。30万人は南京市内にいた人だけではないというような説明だったね。

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