猫の不審死相次ぐ 飲食街で1週間に5匹 「人為的に何かされた可能性高い」


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猫の不審死が相次いでいる通称「十八番街」の一角=21日、石垣市

 【石垣】沖縄県石垣市街地の飲食店などが連なる通称「十八番街」で、野良猫の不審死が相次いでいる。今月10~18日の1週間あまりの間に5匹が死んだ。いずれも外傷はなく、苦しんだ様子がみられたという。原因は今のところ不明だが、人為的な可能性も指摘される。地域からは「偶然ではないだろう。今以上に大きな事件が起こるのではないか」と不安の声が漏れる。

 死骸を確認した地域の関係者によると、10日未明に住宅脇で口から液体を吐いて衰弱した猫が発見され、同日朝に死んだ。その後、18日までに同様の状態で死んだり、死骸として発見されたりする事態が十八番街で続いた。

 死んだ猫のうち3匹を解剖した獣医師によると、個体はいずれも健康体で、感染症が原因の可能性も低い。一方、動物が食べて死ぬことがたびたびある固形状の農薬も、胃の内容物にはなかったという。

 死骸の口の周囲と前足がぬれていたことから、「呼吸困難をどうにかしようともがいたとみられる。相当苦しんだだろう」とする。

 死因は呼吸不全とみられるとした上で、「その原因までは分からない。ただ状況を見ると、人為的に何かをされた可能性は高いのではないか」と話した。

 十八番街で飲食店を経営し、地域の猫の不妊・去勢活動に協力する長川千佳子さん(53)は「猫がかわいそうだという思いもあるし、人の往来もあり店も並ぶこの地域で何かが起こっていることがすごく怖い」と不安げに語った。

 長川さんらは21日までに市や保健所、八重山署に事態を報告・相談した。八重山署は「付近のパトロールを強化している」とした。