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iOSのフリック入力や3D Touchが特許侵害であるとして日本人発明家がAppleを訴える


iOSには文字入力を円滑に行うためにフリック入力機能や、画面タッチの強さに反応して通常のタッチ操作と異なる操作を行う3D Touch機能が搭載されています。こうした機能が自身の持つ特許を侵害しているとして、ワシントン州在住の日本人発明家であるアベ・トシヤス氏がAppleを訴えました。

Japanese Entrepreneur Sues Apple Over Key Flicks and 3D Touch on iPhones and iPads - Mac Rumors
https://www.macrumors.com/2018/06/20/apple-lawsuit-3d-touch-key-flicks/

アベ氏は、人生のほぼ全てを発明にささげているというほど熱心な発明家で、2003年2月に取得したアメリカの6520699号特許に記載のキーボードの新しいユーザーインタフェース装置の開発に、多大な時間と費用を費やしたそうです。

アベ氏が取得した6520699号特許には、画面上に表示される複数のボタンを有するタッチスクリーン装置に関する内容が含まれており、ユーザーがボタンをタップすると複数の文字または機能に関連付けられたボタンが表示される仕組みとなっています。このタッチスクリーンは加えられた力や動きの方向も検知することができ、タップした指を入力したい文字や機能の方向に動かすことで、希望する文字の入力や機能を利用することが可能になります。この特許に記載された機能はノートPCや携帯電話、車のステアリングホイールなどに搭載することも視野に入れられていました。


アベ氏によると、Appleによる特許侵害の対象製品にはiPhone 6s~iPhone X、iPad Air、iPad Air 2、iPad mini 2~iPad mini 4、9.7インチiPadおよびiPad Pro、10.5インチiPad Proが含まれているとのこと。また、同氏は「AppleがApp Storeを通じて、第三者のフリック入力や3D Touchを使用したキーボードアプリの開発を支援しており、さらなる特許侵害を誘発している」としてAppleを強く非難しています。

アベ氏はAppleの特許侵害について、「今回初めて警告するものではなく、2009年の初頭に特許侵害について書面で通知している」と主張。このとき、同氏はAppleの顧問弁護士と電話で会話したこともあるそうですが、問題の解決には至らなかったとしています。その後、iOS 11の登場を知ったアベ氏は、2017年12月に改めてAppleに書面で特許侵害を通知し、再度Appleの弁護士と連絡を取ったものの、状況が改善することはなかったそうです。

アベ氏による損害賠償請求に対して、記事掲載時点でAppleからのコメントは発表されていません。

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in ソフトウェア,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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