蓮如上人ゆかりの伝承頭骨はシャチだった 大阪・八尾の顕証寺

国内初のシャチの頭骨化石と判明した大蛇骨を調べる伊藤謙・大阪大特任講師(右)ら=大阪府八尾市の顕証寺
国内初のシャチの頭骨化石と判明した大蛇骨を調べる伊藤謙・大阪大特任講師(右)ら=大阪府八尾市の顕証寺

 大阪府八尾市の顕証(けんしょう)寺(浄土真宗本願寺派)に同寺の開祖・蓮如上人(1415~99年)が成仏させた大蛇の骨と伝わる巨大な頭骨がシャチであることが分かり、23日に東京で開催された生き物文化誌学会で、大阪大総合学術博物館の伊藤謙特任講師らの調査グループが発表した。シャチのほぼ完全な古い頭骨はあまり例がなく、化石であれば国内初の貴重な資料となるため、今後の調査に注目が集まりそうだ。(藤浦淳)

ご救済の大蛇骨

 この骨は「蓮如上人ご救済の大蛇骨」として、同寺に伝えられてきた。伝承では、石山本願寺(現大阪城)の開創(1496年)直後に現在の大阪市中央区の南御堂付近で発見。蓮如の夢に現れた女が大蛇「龍女(りゅうじょ)」に変えられて苦しんでいると訴えたことから、これを救済したあと海に死体があがった、とされている。

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