【4月1日 Xinhua News】新型コロナウイルス流行の中心地となった中国湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)で先月28日、2か月以上にわたり運行停止していた地下鉄と鉄道が再開した。

 市内6本の地下鉄路線を利用する乗客は、駅に入る際に実名情報が入った健康QRコードのスキャンと体温検査が求められ、乗車中は常にマスクをつける必要がある。多くの人はゴム手袋や顔を覆うことができる帽子も着用していた。

 武漢地下鉄運営有限公司は、第一段階として運行を再開した182駅に、赤外線カメラを使用した高性能体温測定器200台を設置した。

 客車内では、乗客に間隔をあけて座るよう促す黄色い目印が追加されたほか、警備員が乗客らにマスクを常時着用することや1カ所に集まらないことを呼び掛け、降車時に追跡コードをスキャンしている。

 この追跡コードは、新型コロナウイルスの感染予防・抑制を支援するために導入された。さらに、客車は部分的な消毒を毎日、全面的な消毒を5日おきに実施する。

 乗客の楊さんは「ようやく戻れた。月曜から仕事に行ける」と語った。楊さんはこの日、武漢に到着したばかりで、家族2人と共に四川省(Sichuan)から卵と肉製品、野菜を持ち帰ってきた。

 武漢駅は先月28日、流行が終息に向かっていることを受け、市外からの乗客受け入れを再開。全国各地から1万2000人以上の住民が高速鉄道で武漢へと戻り、駅で歓声や花束をもって迎えられた。

 乗客の張さんは「先に2月14日の切符を予約していたが、新型コロナウイルス流行のため鉄道が止まってしまった」と説明。到着は1カ月半遅れてしまったが、地元武漢で流行が収まったことに安堵(あんど)し、安心しているという。

 「これまで外を長い間さまよっていて、帰宅をずっと待ち望んでいた。武漢の地に足を踏み入れられて、ようやく安心し、落ちついた気分だ」と張さんは語った。(c)Xinhua News/AFPBB News