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「国民の共有財産」と法でうたわれる公文書。国や自治体での実情を改めて掘り下げるシリーズを掲載します。

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総務省、研究会発言録を開示せず 私文書扱いに

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「町村議会のあり方に関する研究会」の議事録は「作成・取得していない」と記された総務省の不開示決定通知=2018年7月3日、日下部聡撮影
「町村議会のあり方に関する研究会」の議事録は「作成・取得していない」と記された総務省の不開示決定通知=2018年7月3日、日下部聡撮影

 離島を除いて日本一人口が少ない高知県大川村が、議員に代わって有権者が直接参加する「町村総会」の検討を表明したことをきっかけに設置された総務省の研究会について、毎日新聞が議事録を情報公開請求したところ、同省は「作成していない」と回答した。しかし、実際には議事を記録した文書を作り、職員個人の「備忘メモ」として私文書扱いしていた。そこには同省幹部が議論に深く関与していたことが記されていた。省庁側の解釈次第で政策決定過程を記した文書を国民の目から遠ざけることのできる実態が浮かび上がる。【日下部聡/統合デジタル取材センター】

 この研究会は「町村議会のあり方に関する研究会」。小規模自治体の議会制度を検討するため、2017年7月から今年3月まで、8人の有識者がメンバーとなって計7回の会合が開かれた。会合は非公開とされ、匿名の発言内容を箇条書きにした議事概要が各回2~4ページ、総務省のウェブサイトに掲載されている。

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