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PlayStation 4が設けるアカウント連携の制限とは?

by Fabian Albert

任天堂とMicrosoftがプラットフォームの垣根を越えてクロスプレイの実現に向けて協力を進めている一方で、ソニーはPlayStation 4というプラットフォーム上で遊ぶプレイヤーを囲い込むためにアカウント連携に一部制限を設け、Nintendo SwitchやXbox Oneといったライバルゲーム機へプレイヤーが流出することを食い止めようとしています。このアカウント連携制限は大きな批判を浴びていたのですが、ついにソニーのショーン・レイデン氏が公の場で問題について言及しています。

Sony offers hope on PS4 console cross-play • Eurogamer.net
https://www.eurogamer.net/articles/2018-06-27-sony-confident-it-will-deliver-a-ps4-cross-play-solution

人気バトルロイヤルゲームの「フォートナイト」のNintendo Switch版が、2018年6月13日から配信開始となりました。フォートナイトはこれでPC/PlayStation 4/Xbox One/iOS/Nintendo Switch向けにゲームを配信することとなり、あらゆるプラットフォームでゲームがプレイ可能となっています。そうなると「自宅ではPlayStation 4でプレイして、外出先ではNintendo Switchでプレイ」といった具合に、異なるプラットフォーム上で同じゲームデータを共有したいと考えるプレイヤーも出てきます。

しかし、PlayStation 4版のフォートナイトではそれがかないません。なぜならPlayStation 4版ではPlayStation Network(PSN)とEpic Gamesアカウントを連携させることで、他プラットフォームとプレイヤーのゲームデータを共有するのですが、一度PSNに紐付けたアカウントはNintendo Switch版やXbox One版と連携させることができない仕様となっているからです。そのため、Nintendo Switch版でもプレイしたかったというフォートナイトプレイヤーの間から批判の声が上がるようになったわけです。なお、Nintendo Switch版とXbox One版で同じアカウントデータを利用することは可能であり、このようなアカウント連携の制限を設けているのはPlayStation 4のみ。


ユーザーから予想外に大きな批判を受けることとなったアカウント連携問題について、ソニーはBBCで「PlayStationコミュニティはゲーム体験を向上させるために、常にプレイヤーが興味を持っていることに耳を傾けています」「(PlayStation 4版)フォートナイトはPC/Mac/モバイルとのクロスプレイに対応しており、PlayStation 4版フォートナイトのファンが他のプラットフォームにいる沢山のプレイヤーと遊べるようになっています。現時点では、これ以上付け加えることはありません」という声明を出していますが、海外メディアのPolygonは「ソニーは論争に対して恥ずかしい反応をした」と批判していました。

BBCでの声明以降しばらく沈黙を守ってきたソニーですが、ソニー・インタラクティブ・エンターテインメント(SIE)のアメリカ法人で社長兼CEOを務め、SIEワールドワイド・スタジオでも会長兼CEOを務めるショーン・レイデン氏と、PlayStation 4のシステムアーキテクトを担当するマーク・チェルニー氏が、スペインで開催されたGamelab Conferenceの中でPlayStationプラットフォームに関するプレゼンテーションを行っており、その中でクロスプレイ問題について言及しています。

プレゼンテーションの終わりに設けられた質疑応答の際、Eurogamerのレポーターであるロバート・プーシェ氏は、「ソニーがプレイヤーの話を聞いているとは思えません。具体的にはクロスプレイ、特にフォートナイトについて、プレイヤー側の意見を聞く気があるのか疑問に思うし、現在のところ聞いているとは言えません」とレイデン氏に向けて発言しました。これを受けてレイデン氏は、「我々はクロスプレイに関する意見を耳にしています。多くの可能性を考えていますが、周りの状況から、ひとつのゲーム以上のものに影響すると想像することができます。我々はゲームコミュニティが受け入れ、同時に自分たちのビジネスをしっかりと支えられるような解決策を模索中です」とコメントしており、アカウント連携の制限撤廃を検討中であることを匂わせています


なお、過去にソニーで働いていたという開発者のジョン・スメドレー氏が「私がソニーにいたとき、クロスプレイについての内部的な理由というのは『お金』でした。つまり、ソニーはXboxで何かを買ってPlayStationで使用するようなユーザーが好きではないということです」と語ったように、アカウント連携を可能にしてしまえば、あらゆるプラットフォームからゲーム内課金が可能となり、Xbox Liveで課金してゲーム内アイテムを購入するといったような「PlayStation側の利益にならないケース」が増えることは明らか。

こういったケースを防ぐためにソニーはクロスプレイに関するコンソールポリシーを打ち立ており、それがNintendo SwitchやXbox Oneとのアカウント連携を防ぐこととなっているわけですが、もしもソニーがアカウント連携について見直すこととなれば、フォートナイトだけでなくさまざまなゲームにおいても新しいルールが適用されることとなり、これをEurogamerは「希望の光」と表現しています。

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in ゲーム, Posted by logu_ii

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