Microsoft Outlookの熱狂的なファンでもないかぎり、自宅のデスクトップPCでメールソフトを使っている人はほとんどいないはず。きっと毎日、ブラウザからWebベースのメールサービスを利用していて、サードパーティのメールソフトなど眼中にないことでしょう。

最近、米メディア「Ars Technica」のスタッフが、この問題についてディベートを行なっていました。デスクトップのメールソフトはもう終わっているのか? かつてはThunderbird」、「Sparrow」、「Mailboxなどの優れたメールソフトがいくつもありました。残念ながら、デジタルワールドを生き抜いてきたこれらのメールソフトも、アップデートが滞っているのが現状であり、セキュリティ面を考えるとベストな選択肢とは言えなくなってしまいました。

OS標準搭載のメールソフトにこだわったり、高価なMicrosoft Officeを購入するつもりがないなら、現在、唯一おすすめできる無料メールソフトは、オープンソースの「Mailspring」だけです。私自身は、仕事関係で求められたときだけ、デスクトップのメールソフトを使いますが、Ars Technicaのスタッフのなかには、Mailspringを普段使いしているという人たちもします。Ars TechnicaのITエディターでナショナル・セキュリティ・エディターのSean Gallagher氏もその1人。

週に平均7000件のメールを処理しますが、『MailSpring』というオープンソースのメールソフトをLinux環境で使っています。複数のWebメールアカウントを扱えるし、強力なスパムフィルタもついています。メールはすべて受信トレイかアーカイブに置いたままで、必要があるときに連絡先情報で検索します。「未読数」は気にしないことにしましています。

Mailspringは、Windows、Mac、Linuxで利用できます。セットアップも簡単。ただし、Mailspring専用のIDを作成しなければならないのが玉にキズ。ほかのメールソフトであるように、既存のメールアカウントをインポートするだけでOK、というわけにはいきません。

IDを作成すると、主要メールサービスの一覧が表示されるので、自分が利用しているサービスを選択してください。

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Image: Lifehacker US

私はGmailアカウントをMailspringに接続して使っています。WebでGmailにログインしている場合は、Mailspringにアクセス許可を与えるだけでOKです。ユーザー名とパスワードを聞かれることはありません。

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Image: Lifehacker US

また、Mailspringにはさまざまな表示オプションがあるので、自分が普段使っているWebサービスに近いインターフェースにカスタマイズすることもできます。

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Image: Lifehacker US

Mailspringは無料で最大4つまでのメールアカウントに接続できます。それ以上は月額8ドルを払う必要がありますが、開封確認、スヌーズに加えて、とても便利な「後で送る」機能、リマインダー機能なども利用可能。

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Image: Lifehacker US

Mailspringは動作も軽快で、とくに文句を言うところがないメールソフトです。1日試したみたところ、かなり良い出来だと感じています。もっとも、Gmailから乗り換えたいと言われると微妙です。とくに、Mailspringに欠けている優先度や重要マークなどの機能を愛用している人には役不足かもしれません。

とはいえ、シンプルな未読メールのリストが見れればよく、余計な機能や豪華なインターフェースは不要だという人にとっては、間違いなくおすすめできるデスクトップメールソフトです。


Image: Mailspring

Source: arstechnica

David Murphy - Lifehacker US[原文