「コミュ障」が誰とでも仲良く話すための心得 「自分と話したがっているんだ」と思い込もう

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「コミュ障」は克服可能だ(写真:chombosan / PIXTA)

新年度を迎えた。出会いの季節である。入学、入社、新学年に新部署、新天地……。人生の転機に、たくさんの出会いが待っている。

とはいえ、知らない人と話すのはあまり得意でない、という方もいるだろうし、年齢を重ねるとなかなか新しい知人や友達を作りにくくなると実感している人も多いだろう。今回は、元「コミュ障」で悩んでいた筆者が30年近い“コミュニケーション修業”の末にたどり着いた「誰とでも仲良くなれる」方法をご紹介したい。

周囲の友人などにはなかなか信じてもらえないが、筆者は本質的には恥ずかしがり屋で、特に学生時代は自分の容姿に異常なほどコンプレックスを持ち、とにかく自信がなかった。

コミュニケーションの「科学」を学んでから変わった

仕事では、課せられた役割に「憑依」することで、自信ありげに見せてきたが、「素の自分」はシャイなまま。ブサイクだから、「誰も私とは話したくないのではないか」という自意識にさいなまれてきた。だから、よく「怖い人に見える」と言われた。一度仲良くなると、打ち解けるのだが、心を開き、相手に飛び込んでいくことにためらいがあり、自分の中に壁を作っていた。

大きな転機となったのは、渡米して、コミュニケーションの「科学」を学んだことだ。アメリカには心理学や脳科学、人類学などのアカデミックな研究に基づいて編み出されたコミュニケーションの「方程式」が山とある。アクティングスクールやボイストレーニングに通い、大学教授やコミュニケーションのカリスマに弟子入りして学んだスキルをがむしゃらに試していくうちに、自分を覆っていた「膜」のようなものが、一枚一枚、はぎ落とされていくのを感じた。

近著『世界一孤独な日本のオジサン』の中でも触れたが、日本人は世界一、コミュニケーションを苦手とする人たちかもしれない。同質性の高い社会ゆえに、伝える努力がそれほど必要とされていなかったし、欧米のようにきっちりと系統立てて学ぶ機会もない。都市化や核家族化、非婚化、高齢化が進み、「コミュニティ」なき無縁社会が到来しているが、つながりを作るための「コミュニケーション」力が欠落する中で、心身の健康をむしばむ「孤独」が深刻化している。

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