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 トヨタ自動車が、2020年代半ばまでに、国内で販売する車種を現行の約半分、30程度まで減らす方針であるという。関係筋が明らかにしたものとしてロイターや日経新聞が報じている。

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 トヨタの車種集約の話は、以前から色々と語られてきたところであり、昨日今日急に出てきたものではない。まず、「セダンのカムリへの集約」。

 車種の多様化という時代的背景の前に、かつては自動車の花形であったセダンの現状は苦しい。トヨタでも、人気小型車カローラ、フルモデルチェンジを控え「第45回東京モーターショー2017」にコンセプトモデルが出展される予定となっているクラウン、同じく量産モデルが出展される予定となっているセンチュリーなどは残される見通しであるものの、基本的にはセダンをカムリへと集約する話が進んでいる。

 また、スポーツ車も「GR」という新しいブランドのもと、ヴィッツ、プリウスPHVなどを中心とした再編成が9月に行われたばかりだ。

 さらに、トヨタには高級車を扱う「トヨタ店」、中級車を扱う「トヨペット店」、大衆車を扱う「カローラ店」、若年層が対象の「ネッツ店」という4系列の販売網があり、それぞれが専売車を持っているわけだが、今後、これに加え、地域別の配売戦略を担当する、新しい組織を設けるという。地域ごとのニーズに対応したサービスや品揃えを打ち出していく、というわけだ。

 日本の自動車市場は縮小を続けており、2016年のトヨタ単体の販売台数は4年ぶりの増加となったものの160万台弱、最多だった1990年の約250万台からは大きく数を減らしている。2020年代のトヨタの国内販売目標は「150万台の維持」であるという。

 市場規模が縮む中でもEVの台頭などもあって開発競争は激化しており、研究開発費の削減などを踏まえ、トヨタとしても車種の絞り込みに向かわざるを得ないという現実があるようだ。

 2020年代中頃で車種半減ということは、これから向こう10年ほどの間に、数多くのブランドが終売になるということを意味する。果たして、何が消えていくことになるのだろうか。