iPhoneで命を繋ぐ「緊急SOS」は、いざというときのために覚えておくべき

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iOS11から新しく追加された機能、「緊急SOS」を知っているだろうか? 

文字通り、緊急時にiPhoneで助けを求めるための機能だ。

iPhoneがロックされた状態でも、警察、海上保安庁、消防へ連絡し、自動的に位置情報も伝わる。

何かあったときにすぐに使えるありがたい機能なのだ。

●今までの「緊急」とは、なにが違うの?
iOS10以前にも、「緊急」という機能はあった。
ロック画面で「緊急」をタップすると、キーパッド画面が表示され、同じように警察、海上保安庁、消防に電話できるというものだ。

しかしiOS10では、自分で番号をタップしなくてはならないし、位置情報などは一切送られない。

それに比べて、iOS11の「緊急SOS」では、
・タップするだけで電話をかけられる
・位置情報が伝達される
・設定によっては、自動通報も可能
・メディカルIDとの連携により、緊急連絡先にも自動でメッセージが通知される

と、実用的な機能がグッとアップしている。
いざ!というときの頼もしい味方となっているのだ。

●緊急SOSはどうやって使う?
緊急SOSは、スリープボタンを5回連続でクリックすることで起動する。
iPhone8、iPhone8 plusの場合は、サイドボタンと音量ボタンの同時長押しだ(設定により、サイドボタンを5回クリックして起動させることも可能)。

画面に表示された「緊急SOS」のスライダをドラッグすれば、警察(110)・海上保安庁(118)・火事、救急車、救助(119)というメニューが表示される。通報したい相手先をタップすれば電話が発信される。


緊急SOSの起動画面。「緊急SOS」をドラッグする。



通報したい相手先をタップすれば電話が発信される。


タップするだけですぐに発信するようになっているので、誤って触ってしまわないよう注意しよう。

●自動的に発信するように設定する
緊急時にいちいち画面を操作するのは大変、という場合は、自動通報に設定しておくことができる。

この場合、スリープボタンを5回連続クリックすると、アラーム音が鳴り、カウントダウンが始まる。その後、自動的に緊急通報サービスに発信される。


「設定」で「緊急SOS」を選択する。



「自動通報」をオンにすると、自動発信されるようになる。


●メディカルIDに緊急連絡先を登録する
ヘルスケアの機能の1つ、メディカルIDに緊急連絡先を登録しておくと、緊急SOSを使用した際に、メッセージと位置情報が送られるようになる。
さらに、一定の間、位置情報が変わる度に、緊急連絡先にその情報が送られる。


緊急SOSの設定画面で、「“ヘルスケア”で緊急連絡先を設定」をタップする。



ヘルスケアが起動するので、自分の情報を設定すると、メディカルID作成画面が表示される。「メディカルIDを作成」をタップする。



「緊急連絡先を追加」をタップする。



緊急連絡先に指定したい連絡先をタップする。



続柄を設定し、設定を完了させる。


メディカルIDを作成しておくと、緊急SOSを起動したときに、「メディカルID」という項目も表示されるようになる。これをスライドさせれば、登録内容が表示される。ここから緊急連絡先に電話をかけることもできるし、アレルギーのあるなし、服用中の薬、血液型などを登録しておけば、その情報も確認できる。


メディカルIDが作成されている状態で緊急SOSを起動した状態。メディカルIDをスワイプする。



メディカルIDの内容が表示される。緊急連絡先に登録されている電話番号に発信することも可能。


この緊急SOSとメディカルIDは、ロックを外さなくても使用できる点が最大のメリットだろう。

たとえば自分が意識を失っていたとしても、誰かが操作してくれれば、緊急連絡先にも連絡してもらえるわけだ。もちろん見ず知らずの人が倒れていた場合には、逆に自分が助けを呼ぶ手伝いができるかもしれない。

操作方法をしっかりと覚えておくようにしよう。

緊急SOSの起動方法であるスリープボタンを5回クリックは、今までにない新しいボタン操作だが、機種やiOSのバージョンによっては、ボタンの操作方法が変わってしまったものもある。

たとえば、iPhone7以降は、再起動の際に、スリープボタンとホームボタンではなく、スリープボタンと音量を下げるボタンを押さなくてはならなかったり、iOS10ではロックを解除したりするのにホームボタンを押さなくてはならなくなったりしている。

新しいiPhoneの登場、iOSのバージョンアップなどで、ボタンを伴う操作でとまどうこともあるだろうが、早めに習得して機能を使えるようにしておきたい。