EV開発でトヨタ、マツダ、デンソーが新会社設立へ 基盤技術の開発加速を狙う

資本提携を発表する記者会見で、互いにおじぎするトヨタ自動車の豊田章男社長(左)とマツダの小飼雅道社長=東京都中央区(桐山弘太撮影)
資本提携を発表する記者会見で、互いにおじぎするトヨタ自動車の豊田章男社長(左)とマツダの小飼雅道社長=東京都中央区(桐山弘太撮影)【拡大】

 トヨタ自動車とマツダ、トヨタグループの部品大手デンソーが、電気自動車(EV)の開発に向け新会社を共同で設立する方針であることが28日、分かった。世界的な環境規制の厳格化を背景にガソリン車からEVへ移行する流れが加速しており、連携して基盤技術の開発を急ぐ。

 トヨタとマツダは8月、相互に500億円を出資する資本提携の合意を発表していた。デンソーを加えることで、さまざまな車種に使える部品の生産などを目指す。開発にかかる1社当たりの巨額の費用を抑えることにもつながる。

 新会社は、車体の骨格や制御システムの開発をする。車のデザインや生産、販売はトヨタとマツダがそれぞれ手掛ける見通し。デンソーはEVの動力となるモーターなどの分野で定評があり、軽自動車からスポーツタイプ多目的車(SUV)、小型トラックまで幅広く対応する部品の開発を担う。

 トヨタはハイブリッド車(HV)や、家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)で市場をけん引してきた。マツダは複数の車両を一つの規格で造るノウハウに優れている。

 トヨタとマツダは平成27年5月、環境技術や安全分野の包括提携で基本合意。今年8月に発表した資本提携では、EVの共同開発に加え、米国で新工場を建設する計画などを示した。