新型「日産リーフ」(写真: 日産自動車の発表資料より)

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 日産自動車は9月6日、新型の電気自動車(EV)「リーフ」を発表した。バッテリー容量が40kWhになり、航続距離を旧型から約4割も延ばしてJC08モードで400kmを可能とするなど、全面改良である。国内では10月2日に発売。米国、カナダ、欧州では18年1月から納車の予定。中国でも19年までには投入する予定で、世界で年間9万台の販売を目指している。

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■EV新型リーフの注目点は?

 新型「リーフ」はデザインが一新されており、車高は1センチ低く、横幅は2センチ広げている。少しだがワイドローになった外観は安定感がある。空力も考えられたようで、空気抵抗係数Cd値(0.28)は、旧型と比べ4%減ほどとなっており、走る車らしいフォルムになっているのに好感が持てる。実際に、加速性能も向上させている。

 バッテリー容量が40kWhになったこと。それにより、航続距離がJC08モードで400kmまで可能になった。初代リーフが200kmだったから、その2倍になったわけである。バッテリーの体積は変わっていないという。また、急速充電は約40分で80%可能となっている。日産がバッテリー製造工場を系列から切り離したことが思い出されるが、それが良いか悪いか?その判断は簡単ではない。

 また、日産独自の自動運転技術「プロパイロット」に機能が加わっている。1つは、高速道路の同一車線内を半自動走行するもので、セレナやエクストレイルに搭載されたものと同じだ。もう1つは、駐車操作を自動で行なう「プロパイロットパーキング」で、国内メーカー初である。後ろ向き、前向き、縦列すべての駐車操作を、ボタン一つで駐車開始から完了まで自動で行ってくれる。降車して車外から駐車操作ができる車は、BMW750クラスにある。

 そして新型「リーフ」の注目すべきは、「e-ペダル」。アクセルペダルによってブレーキングをコントロールできるものだ。アクセルを戻していくとブレーキがかかっていくという。アクセルペダルの強弱でどのくらいのスピードになるかは実際に乗っていないので見当がつかないが、ブレーキペダルに踏み変える必要なく、ブレーキをかけてくれるので、便利な機能になりそうだ。ブレーキペダルを踏んでいなくともブレーキランプは付くようである。

 価格は旧型と同水準で300万円台になっており、EV購入を考えているユーザーにとってはうれしい。

■EV購入の注意点は、やはりバッテリー

 ただ一方で注意しておくことがある。電気自動車(EV)の心臓部であるバッテリーの経年劣化のため、リーフの中古買取価格はガソリン車に比べて低く、中古市場の在庫が増加していく状況があるという。EV購入の際には、バッテリーの補償内容を十分に検討することと、交換する場合のコストを見積もっておくことが重要になってくるだろう。

 しかし、EV社会になるということはバッテリーごみの山になるということなのか?リーフの中古市場を見ていると、普及とともに早く対策を打つべきだと思うのである。バッテリーリサイクルシステムを作り上げなければならないだろう。