幻の「Surface Mini」の実機画像がリーク、多様化するSurfaceシリーズの中なぜ日の目を見なかったのか?
Microsoftが2012年に発売したタブレットPC「Surface」シリーズは、2017年モデルを合わせると5世代まで進化しており、クラムシェル型の「Surface Book」やオールインワンデスクトップPC「Surface Studio」や軽量版「Windows 10 S」を搭載する「Surface Laptop」など、種類を拡充してきました。しかし、中には製品化されることなく開発が終了した製品もあり、小型サイズ版のSurface「Surface Mini」は発表目前でキャンセルされたまさに幻のSurfaceと言えます。その幻の端末「Surface Mini」の流出画像が、Windows Centralによって独占的に公開されました。
https://www.windowscentral.com/microsofts-canceled-surface-mini-photos-exclusive
Windows Centralによると、Surface Miniは第3世代Surface「Surface Pro 3」と共に2014年に発表されるはずだったものが、発表会のわずか数週間前に見送られることになったそうで、製品化できる準備がされつつも日の目を見ることのなかった端末だとのこと。
Surface Miniは8インチで1440×1080ピクセルの液晶ディスプレイを搭載しており、12インチ(2160×1440)ディスプレイのSurface Pro 3に比べるとサイズを縮小しています。プロセッサにはQualcommの当時のハイエンドSoC「Snapdragon 800」を搭載し、メモリは1GB、ストレージは32GBで、タブレット端末としては高性能なモデルとなっていました。
ただし、ARMプロセッサ搭載ということで、OSはWindows 8.1ではなくWindows RTが採用されていました。Surface Miniは小型版Surfaceであると同時に、「Surface RT」の後継機でもあったようです。
Surfaceのデザインアイコンであるキックスタンドは健在。ペンを収納するホルダも搭載しています。ただし、バックパネルは金属製ではなく、さまざまなカラーを用意できるようになっていた模様。
着脱式のキーボード「Type Cover」を取り付けるコネクタはなく、Micro-USB端子やイヤホンジャックがあるのみ。MicrosoftはSurface Miniではワイヤレスキーボードとの接続を想定していたようです。
Microsoftが発表直前で急遽、Surface Miniをキャンセルした正確な事情は明らかではなりませんが、その後、より大画面化したスマートフォンが次々と市場に登場し、7インチ〜8インチサイズのタブレット端末の売れ行きが下がっていったことを思えば、正しい決断だったようです。何よりも、Windows RTを搭載する端末というだけで敬遠された可能性がありそう。ストレートに言って、製品化できるウリがSurface Miniにはなかったというわけです。
ただし、MicrosoftはARMプロセッサで動くWindows 10の開発をQualcommと進めており、2017年内にも端末が登場する見込みです。「フルスペックWindowsが動く、コンパクトな高性能タブレット」であれば話は別であり、幻のSurface Miniが日の目を浴びる可能はなきにしもあらずです。
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