男子400メートルリレーで、多田修平(関学大)飯塚翔太(ミズノ)桐生祥秀(東洋大)ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)の日本が予選を突破した。バトンワークに課題を残しながら米国、英国に次ぐ1組3着。38秒21は全体6番目だった。男子200メートル決勝で右ハムストリングを痛めたサニブラウン・ハキームは欠場となり、代役として多田が第1走を務めた。

 リオ五輪で銀メダルをたぐり寄せたお家芸のバトンワークは成功したとはいえなかった。それでも日本は1組3着をキープし、13年モスクワ大会以来2大会ぶりとなる決勝に進んだ。

 地元英国の右隣5レーンで、第1走者は多田。号砲への反応は0秒197と遅れる。中盤に加速して盛り返すも、飯塚へ渡すバトンが詰まった。

 多田は「スタートは良くなかった。バトンも良くなかったところがあった」と反省。飯塚は「決勝で胸を張って走ればいい。自分のやることをしっかりやれば、タイムを縮められる」と前を向いた。

 もともと1走には男子200メートルで決勝に進んだサニブラウンが予定されていた。その18歳が右ハムストリングを痛め、代役は7月の山梨合宿から曲走路と飯塚へのバトン渡しに重点を置いてきた多田になった。準備は積んできたが、大舞台で誤差が生じた。

 3走桐生から4走ケンブリッジも危なかった。1度、右手で桐生がケンブリッジへバトンを渡そうとするも、空振り。つながったのは2度目だった。ケンブリッジは「決勝は修正したい」と話した。

 38秒21は米国、英国、ジャマイカ、フランス、中国に次ぐ全体6番目。サニブラウンは不在だが、4人の100メートルの今季最高タイムの合計は40秒28で、リオ五輪の時より0秒24速い。本来の力を発揮できれば決勝で勝負ができる。個人種目に出場できなかった桐生は「僕だけまだまっさらなので、元気ですね。決勝でもう1段階上がるかな」と意気込んだ。【上田悠太】