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こんにちは。タイ王国バンコクとシラチャー在住の杉山佳久です。今回は、「移住者に聞く旅行ガイド」のタイ編として、隣国カンボジアに国境を接する地域サケーオをご紹介します。今回は、日本ではなかなか体験できないスポット5つです。

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サケーオの日の出

サケーオへの行き方:下記で紹介するアランヤプラテートへは、バンコクからバスで移動することになります。その他の場所からは車の手配が必要になりますので、バンコクからチャーターした車や自分のドライブで行くことをお勧めします。サケーオの現地ではタクシーはありません。

サケーオへのルート:一番のお勧めは、バンコクからモーターウェイでチャチェンサオまで行き、国道314号線→365号線→304号線を東に走り、ここ数年で片側2車線に整備された国道369号線に入ります。サケーオの町を過ぎたところで国道33号線に合流しますので、そのまま、東に向かうとその終点がアランヤプラテートとカンボジア・ポイペトの国境になります。

1.国境の街、アランヤプラテート(Aranyaprathet)からのカンボジア日帰り旅行

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アランヤプラテートからポイペトを望む

バンコクから東に260キロほどの距離にあるアランヤプラテートのカンボジア国境は、バンコクから一番行きやすい陸路の国境です。日本は海に囲まれている国ですので、橋を渡って越境するといった経験はできないわけですが、タイは東に、カンボジアとラオス、西にミャンマー、南にマレーシア、北にラオスと陸路で国と接しているので、日本では味わえない「川の向こう、目の前の隣国」を体験することができます。タイ国の滞在ビザの関係で出国しなくてはならない人などで、陸路の入国で良い場合は、バンコクから3~4時間かけて、ここまで来ています。

車は、ボーダー近くの駐車場に止めて、出入国管理施設まで歩いてみると、それほど広くない川の向こうに立派なホテルがいくつも見ることができます。それはカンボジア側のカジノ・ホテルで、ギャンブルが禁止されているタイからのお客や外国人をターゲットにした施設です(週末は、多くの人が遊びに行くようです)。また、タイ側からは、山のような荷物を積んだトラックやクボタのトラクターやコンバインを乗せたトレーラーなどが車列を作り、出国手続きを待っています。まだまだ、製造業が育っていないカンボジアには、タイ産の製品やタイを通して出荷されるものが数多くあるようです。

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カンボジアに向うトラック

タイ側には、「ボーダー・ホテル(BORDER HOTEL)」というホテルがあり、宿泊も可能です。1階にカフェがあるので、近くに冷房の効いたカフェが少ない中、涼むにはお勧めです。

さて、ここまで来たのだから、カンボジアに行こう!と思った方、行って来いの日帰り旅行も可能ですし、カジノ・ホテルで徹夜でギャンブルというのもできますが、カンボジア入国には、ビザが必要になります(ビザ・オン・アライバルで、カンボジア入国前に取得できます)。また、帰りのタイ入国に時間がかかるという話を良く聞くので、時間には余裕をもって行動してください。それと長期滞在されている方は、リエントリー・ビザの準備をお忘れなく。

営業時間:イミグレーション入出国審査 6:00~22:00(時間は変わる場合があるので、事前にご確認ください)

住所:Aranyaprathet Immigration Office, 6 Mahatthai Rd., Aranyaprathet, Sakaeo 27120

Google Map: https://goo.gl/maps/DKshp6TFEHQ2

その他:観光ビザなどを取得した方はリエントリービザの事前取得をしてください。また、ビザの発給条件など、変更されることがありますので、事前に調べてから渡航するようにしてください。

2.ロングルア市場(Rong Kluea Market/ตลาดโรงเกลือ)

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アランヤプラテートの国境の横にあるのがロングルア市場です。広いのと暑いのと埃っぽいので、体力を消耗しがちです。市場内で電動ゴルフカートのレンタルもありますが、狭い路地を走らないといけませんし、駐車スペースが整備されていないので、大変かもしれません。でも、広い市場を見て回るにはいいかもしれませんね。

市場には、日本や韓国や台湾などから流れてきた洋服や靴などの中古品や新古品が売っています。一説には、カンボジアに支援物資として贈られたブツがここに流れてきているという話も聞いたことがありますが、実際はわかりません。でも、ここで売っている服を見ていると、●●中学校野球部とか▲▼高校陸上部なんていうジャージやジャンバーがあるんです。■■製作所とか株式会社★★なんていう作業着があったりします。タイは常夏ですが、冬物のコートやベンチコート、ブーツやスノトレとかもあって、季節感が狂ってしまいます。

ブランドもののコピー品もありますが、基本的に違法ですので購入しないようにしてください。他にも、子供服、婦人服、紳士物シャツ、カーテンや雑貨、お土産品など雑多なものが売っていますので、ウインドウショッピングをするだけでも面白いかと思います。暑さが厳しいので、水の補給を忘れずに。

営業時間:7:00~18:30(店により営業時間は異なりますので、ご注意ください。

住所:Soi Kilo 5 Fangsal, อรัญประเทศ Amphoe Aranyaprathet, Chang Wat Sa Kaeo 27120

Google Map: https://goo.gl/maps/fNWTrCpE2Mp

3.プラサット・サドック・コック・トム(PRASAT SADOK KOK THOM/ปราสาทสด๊กก๊อกธม)

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クメール様式の遺跡

プラサット・サドック・コック・トムは、アランヤプラテート〜ポイペトの国境から40キロほどのところにある9世紀に築城されたクメール様式の城(11世紀に再築城されています)です。カンボジアには、クメール様式の建築物として有名なアンコールワットがありますが、タイとクメール(今のカンボジア)は、時代により領土の取り合いがありましたので、タイの中にもナコンラチャシマのピマイ遺跡、ブリラムのパノム・ルング遺跡などクメール様式の有名な遺跡が残っています。シーサケットのカオプラビハンは、タイとカンボジアの国境に位置しているため、いまだに領有をめぐって紛争中です。

プラサット・サドック・コック・トムは、カンボジア国境に近く、カンボジアの内戦時にはタイ軍との戦闘があり、損壊が多くあったほかに、周囲に地雷原があり、戦闘が終わった後も復興が遅れた1つの原因になっています。日本の地雷除去活動により、周辺の地雷が撤去され、復興が進み、遺跡自体もそうですが、遺跡への道路や駐車場などのインフラが整備されました。

南国の日差しを浴びながら、10世紀も前に、その地に立ったクメールの民に思いを馳せてみませんか。

開園時間:8:00~18:00(TATのウェブサイトから)

住所:Khok Sung, Khok Sung District, Sa Kaeo 27120

Google Map: https://goo.gl/maps/tfisFm6zBtQ2



4.ラル(LALU/ละลุ)


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出典元:https://www.tourismthailand.org/

タ・プラヤ国立公園内にある自然のモニュメント、“ラル”。長い年月の間に、柔らかい地層が風雨により削られ、硬い地層が残され、数メートルのさまざまな形の土の壁や塔が作られています。このエリアには、手前の村にあるビジターセンターの駐車場に車を止めて、村人が案内するトラクターにひかれた車に乗って入っていきます。私が行った時には、村の小学生が案内人として、同行してくれました。

アメリカのグランドキャニオンには、規模ではかないませんが、自然の造形の不思議さを感じることができる場所だと思います。訪問のベストシーズンは、タイの乾季にあたる10月~5月です。雨季の間は、水たまりができたりしています。

ラルは、アランヤプラテート〜ポイペトの国境から60キロほど、プラサット・サドック・コック・トムから45キロほどの場所にあります。1時間くらいの田舎道のドライブです。

開園時間:8:00~18:00(AMAGING THAILANDのウェブサイトから)

案内車代:200バーツ(参考価格:少し前の訪問なので)

住所:Thap Rat, Ta Phraya District, Sa Kaeo 27180

Google Map: https://goo.gl/maps/nTbt26dHBYJ2

5.コーヒー・ヒル(COFFEE HILL)

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タイの田舎町で出会った“渋谷トースト”

バンコクだけでなく、地方の町にも素敵なカフェがオープンしていますが、サケーオの町では、ここが一番かと思います。町の少し外れにありますが、国道33号線に面したお店で、駐車場も広く(店の前がいっぱいの時は、裏にも駐車場があります)、店舗も改装して大きくなりました。

たくさんのケーキもショーケースにありますが、私のお勧めは、“渋谷トースト”。一斤の食パンのトーストに、生クリーム、フルーツ、アイスクリームを添えてハチミツやシロップをかけたトーストです。メニューも、“SHIBUYA TOAST”になっています。

贅沢を言えば、ここで、ゆっくりしていってもらいたいのですが、バンコクへの帰りの途中の一休みにどうぞ。

開店時間:7:00~20:30

定休日:火曜日

住所:Mueang Sa Kaeo District, Sa Kaeo 27000

Google Map: https://goo.gl/maps/fkVptx6BQet

【著者プロフィール】 杉山佳久 (スッキー)|トラベロコでの連絡先



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タイで起業し10年以上になります。在タイ歴19年。ほぼタイ全土を自分で運転して旅しています。タイ語が公用語の仕事場で長く働いているので、タイ語と英語が鍛えられました。「プライベートなタイの旅を」「オリジナルの視察を」とお考えの方は、おまかせください。


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