大学進学率が上がり、子どもの教育費がハンパなくかかるように

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平成の初期や昭和の頃と比べると、今はずいぶん教育環境が変わっています。その変化を知って、教育費のかけ方や教育環境、貯め方を考えていきましょう。

【画像を見る】学資保険がよかったのは平成の1桁まで!

【時代の変化とともに教育費のかかり方も変わる】

私たち世代の給料がここしばらく伸び悩んでいるにもかかわらず、学校の授業料や受験料などの教育費は上がり続けており、大学・短大に進学する子も3人に1人から2人に1人に増えています。ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんは、「意外と教育費が貯められていない方が多いんです」と語ります。中学・高校から私立へ行く、大学まで行かせてあげたいと考えている家庭は、早いうちから意識して教育費を貯め始めましょう。

【こんなに違う! 昭和と平成の教育環境】

昭和(一部平成の中期) VS 平成(平成20年代)

●出生数 1973年(昭和48年) 約209万人 VS 2013年(平成25年) 約103万人 ※1

●生命保険の予定利率 1985年(昭和60年) 5・50% VS 2017年(平成29年) 0・25%(予定) ←教育費が増やせない!

<学資保険がよかったのは平成1桁まで>

教育費を貯める目的で入るのに、元本割れ、売り止めが続出している学資保険。平成 1桁まではまだ利率がよかったのですが、それ以降は上がりません。学資保険は、子どもごとに貯められるし、教育費以外に使いにくい点がメリットなのですが。

●私立中学の在籍者数の割合 1986年(昭和61年) 3・0% VS 2016年(平成28年)7・1% ※2

<私立の授業料を払いつつ大学進学費は貯められない>

中学受験をさせるなら、小学 4〜6年の塾代に少なくとも年間 300万円はかかります。さらに、入学後は平均年間120万円の授業料がかかります。月に10万円は何とか払えても、大学進学のお金が貯められないので、結局奨学金を借りることになってしまいます。

●公立高校の年間授業料 1994年(平成6年) 9万7,249円 VS 2014年(平成26年) 0円 ※3 ←年収約910万円以上の世帯は11万8,800円。

●私立高校の年間授業料 1994年(平成6年) 30万1,416円 VS 2014年(平成26年) 25万8,542円 ※3 ←今後さらに補助金が充実して、高校の授業料は減少傾向。

<私立高校授業料、東京都は無償化に!?>

2017年 1月に東京都の小池百合子知事は、2017年度の予算に私立高校の授業料無償化策を盛り込むことが決まりました。東京都の年収760万円未満の世帯の生徒を対象に、都内の私立高校の年間平均授業料44万2,000円が支給されることに。

●大学・短大進学率(現役) 1985年(昭和60年) 30・5% VS 2016年(平成28年) 54・8% ※2

●国立大学検定料 1975年(昭和50年) 5,000円 VS 2016年(平成28年) 1万7,000円(2次のみ。センター試験は3科目以上1万8,000円) ←半分以上の人が大学へ行くようになったが、お金が必要

●私立大学検定料 1975年(昭和50年) 9,647円 ※4 VS 2016年(平成28年) 3万5,000円程度(1学部当たり)

●国立大学年間授業料 1975年(昭和50年) 3万6,000円 VS 2014年(平成26年) 53万5,800円

●私立大学年間授業料 1975年(昭和50年) 18万2,677円 ※4 VS 2014年(平成26年) 86万4,384円 ※5

●日本学生支援機構の奨学金の受給者率 2002年(平成14年) 31・2% VS 2014年(平成26年) 51.3% ※6 ←奨学金を借りる学生が半分以上!

<延滞者は17万人!返還義務を知らない場合も>

日本学生支援機構の奨学金を返還しなくてはならない人が約 362万人。そのうち 3カ月以上の延滞者が約17万人います(平成 26年度末)。延滞者の 1割が、延滞督促を受けてから返還義務を知ったとしています。制度をよく理解して利用を。

※1 厚生労働省「人口動態調査」より。※2 文部科学省「学校基本調査」より。※3 文部科学省「子どもの学習費調査」より。※4 文部科学省「国立大学と私立大学の授業料等の推移」より。 ※5 文部科学省「私立大学等の平成 26年度入学者に係る学生納付金等の調査結果について」より。※6 日本学生支援機構「学生生活調査」より。

いかがですか? 自分たちが親にしてもらったことを、自分の子どもにしてあげるのは、こんなにたいへんな時代になっています。うちの子はまだ小さいから…の油断は禁物! 1日でも早く教育費を貯め始めましょう。