にぎわいの場 富山グランドプラザ

山下裕子 著

内容紹介

コンパクトシティと評される富山市では、中心市街地に「グランドプラザ」という広場を整備した。ここでは市民によるイベントが毎日のように開催され、「自分たちの広場」と誇れる場になっている。人が集まる公共空間はいかにしてつくられるか。その運営に手腕を発揮してきた著者が、賑わいをうむ場づくりの秘訣を解き明かす。

推薦 大森 彌氏(政治学者)

グランドプラザは、一つの「奇跡」である。
行政と民間がどうすれば「協働」し、実績をあげられるのかを見事に実証している。

体 裁 四六・208頁・定価 本体2000円+税
ISBN 978-4-7615-2557-6
発行日 2013/10/01
装 丁 コシダアート/上原 聡


目次著者紹介はじめにおわりに書評

1部 公共空間に革命を起こした広場

第1章 行政と市民の協働でうまれた「まちなか広場」

(1)コンパクトシティを目指す富山市
(2)都心地区の活性化
(3)計画段階の成功策
(4)完成前からの協働―活用委員会
(5)見えない境界を越える―共有部分の在り方
(6)行政が市民活動の後ろ盾となる
(7)まちなかの価値を高め、持続する
(8)公共交通×公共広場

第2章 賑わいを創出する仕組み

(1)往来の多い場所を「まちなか広場」にする
(2)都市らしい、様々な人のいる光景をつくる
(3)休日の賑わいを定着させる
(4)賑わいがあって、新たな商いが誕生する
(5)広場の魅力を向上するアイデア
(6)レイアウトは無限大―自由に動かすことができる

第3章 広場に魂を吹き込んだ運営姿勢

(1)美しくある―美しい空間には、美しい心が宿る
(2)ニュートラルである―毎日、新しい朝を迎える
(3)楽しげである―楽しい!には、人が自然と集まる
(4)センス良くしつらえる―若者が集まる場所にする
(5)視線を集める―県内初の大型ビジョンで発信する
(6)簡単である―はじめたい気持ちを大切にする
(7)わかりやすい―コミコミ価格の料金体系にする
(8)現場で考える―臨機応変に対応する
(9)間柄を育む―スピークではなく、トークで解決!
(10)段々と整える―庭を育てるようにつくり続ける
(11)情報を蓄積する―編集してネットワークを広げる

2部 これぞ市民に愛される広場

第4章 ちびっこ、集まれ!

(1)手が放せる、安心感
(2)幼い頃の楽しい思い出がある場所
(3)まちなか遠足をしよう
(4)市役所の直営で得られた信頼感
(5)子どもに本物を見せる

第5章 アイがうまれるグランドプラザ

(1)都市生活の新しい娯楽
(2)歩いてでかけてみよう
(3)まちなかの新しい目的地
(4)コミュニケーション発生拠点
(5)出会い、間柄が生まれる
(6)都市のなかの自分の居場所

第6章 市民がつくりあげる、自分たちの場所

(1)「まちなか広場」での交流
(2)ネットワークの基盤を育みやすい中心市街地
(3)育まれるシビックプライド
(4)まちなかを自分のフィールドにする
(5)若者のたまり場
(6)市民がつくる「私のハレの日」
(7)アートが魅せる、新しい感覚
(8)物々交換的な価値感

3部 まちを想う人が支える広場

第7章 広場を楽しむための市民ネットワーク

(1)共感から協働へ―GPネットワーク
(2)屋根そうじをパフォーマンスに!
(3)年越し蕎麦提供
(4)カジュアルワイン会
(5)手ぶらで、観光物産展パック
(6)まちづくりセミナー
(7)価値観の共感が、人と人を結ぶ

第8章 まちを愛する行政マン

(1)行政マンがイベント好きに!?
(2)事業化のための仕組みをつくる
(3)まちなかエンジンの給油役
(4)場をつくる
(5)常に現場に関わる
資料
・富山市まちなか賑わい広場条例
・富山市まちなか賑わい広場管理運営業務仕様書
・グランドプラザ賑わい創出事業業務仕様書

山下裕子(やました ゆうこ)

㈱まちづくりとやま 第1事業部主査、NPO法人GPネットワーク理事
鹿児島生まれ。富山に移住し、演劇やアート関連イベントの企画制作に携わる。2007年よりグランドプラザ運営事務所勤務。2009年(財)地域活性化センター第21期全国地域リーダー養成塾修了。2010年より㈱まちづくりとやまグランドプラザ担当。2011年よりNPO法人GPネットワーク理事。

皆さん、毎日、ワクワク、ドキドキしていますか?

いま、日本で足りていないもののひとつに「ワクワクする出来事や、気持ち」があるのではないでしょうか。富山まちなか賑わい広場「グランドプラザ」では日々、その貴重なワクワクする出来事がうまれ、人々のなかにワクワクする気持ちが育まれています。それではなぜそうなっているのでしょうか。

グランドプラザは、何も消費行動をおこさなくても、居続けることのできる中心市街地にある「まちなか広場」です。この場所によって、近年の消費社会で私たちが失いかけている大切なものを取り戻せるように感じています。広場には、余白の大きな広い空間があり、そこで過ごす時間をたくさんの市民が持ちはじめています。そして、この「空間」と「時間」こそが、これからの時代に必要で大切なものを創造したり、日本人が本来持っているものを思い出すきっかけを与えてくれるように思うのです。

2007年9月に誕生した「富山市まちなか賑わい広場」(愛称:グランドプラザ)は、まちなかに広場空間を形成しているガラスの建築物です。富山市役所は、市内に唯一ある百貨店と中心市街地で一番大きな駐車場ビル(駐車台数630台)の間に広場を整備しました。そして、北陸の雨雪の多い気候風土であっても安心してイベント開催ができるように、また、人々の交流、憩いの場所として機能を維持するために、ガラスの屋根をしつらえました。

まちなか広場は、中心市街地の賑わい創出のための中心的な役割を果たすとともに、新しい時代を迎える都市での暮らしにおいて必要な、新しい価値観を育むための公共空間でもあると考えています。グランドプラザでは開業以来、年間100件以上のイベントが開催され、休日のイベント実施率はほぼ100%を維持し、平日も市民の様々な活動や交流の拠点になっています。言わば、都市の生活を豊かにするための文化を育むインキュベーターであり、ソーシャルキャピタル(社会関係資本)を高める空間となっているのです。

もともと私は、人と人の出会いの場の創出や、その場でしか味わえないものがある「ライブ」に興味があり、音楽家の演奏会やものづくりをしている作家の個展等を、趣味として企画し運営していました。そのようなライフスタイルをはじめて5年目のある日、お客様の一人であった市役所職員の方から「グランドプラザ活用委員会」(2004年発足)に誘われ、市民代表として参加したのを機に、2007年から現在までグランドプラザの運営に関わる仕事をしています。

グランドプラザは、市営の公共施設でありながら市有地と民有地に敷地が股がり、屋根の片側の荷重は隣接する民間投資で建設された百貨店ビルが支えています。また、開業から2年7ヶ月の間(2007年9月~2010年3月)は市役所の直営でありながら、市役所と人材派遣会社とが連携し、公務員不在の組織として事務所を運営しました。その後、2010年からは指定管理者制度が導入されるのに伴い、第3セクターである「株式会社まちづくりとやま」(市役所出資率50%)の運営に移行しています。どちらの時期も2~4人体制であることと、公共施設でありながら平均年齢30代前半の若者が運営を担っている点が共通しています。

「しかるべき行政の人がいて、しかるべき市民がいて、はじめて「協働」は、はじまるのです。グランドプラザは「協働」の結晶であり、奇跡のような現象である」と、大森彌先生(東京大学名誉教授)は語ります。

本書で、私がお伝えしたいことは、「まちなか広場」という場所の鮮烈なまでの可能性と、「まちなか広場」を整備し運営するために必要な場づくりの方法や、そしてその場によって育まれるネットワークをより円滑に楽しく拡げていくための感性についてです。

ポール・ズッカーは著書『都市と広場』の冒頭で「広場は、疑いもなく、絵画、彫刻、あるいは個々の建築作品と同様、「芸術」である。広場の開放された空間、周囲の建築物、その上に広がる空が織りなす独特な関係は、他のいかなる芸術作品から受ける感動にも劣らない本物の感激を味わわせてくれる」と描いています。グランドプラザが誕生して以来、この場所で繰り広げられる様々な現象は、まさにこの言葉を彷彿とさせます。

そして、広場のある都市での暮らしは、ヨーゼフ・ボイスが語る「どんな人間も芸術家である(中略)どんな人間も社会の変革のために働ける(中略)誰もが、自分自身の考えによって、本当の意味で自らの創造力を共同体に提供することができるのです。」※2という言葉を実感する場面が、日々の営みのなかで繰り広げられているのです。

私は、公務員ではなく市民としての素朴な価値観を根幹に抱いたまま、公共施設の運営に関わることができる貴重な機会をいただきました。この仕事をはじめて感じたことは、市民と行政の愉快なくらい性質の異なる価値観の違いです。お互い自分の常識にどっぷりとつかったままではなかなか通じ合えませんが、逆に言えば、お互いにまったくないものを持っており、刺激し、補完し合うことができるのです。例えば「市民の力」とは、いま必要とされている新しい事業を立ち上げる発想力であり、それを実現するための実行力であると感じます。また、「行政の力」とは全体のマネジメントを可能とするための分析能力であり、枠組みをつくり組織を動かし政策を進める総合力であると感じるのです。

わかりやすく言えば、例えば行政職員は書類の作成は得意ですが、意見が異なる人と対話をするのは一概に得意とは言えません。一方、まちなかで活動する市民は書類の作成は不得手ですが、自らの活動に対する思いや、困難を乗り越えようとする気持ちはとても強いように感じます。
私の周りの行政職員は「市民の生活をより良くするために全力を尽くしたい」と、本気で考えている人が多く驚いています。そして、彼らの仕事に対する姿勢から彼らの心持を垣間見るたびに尊敬の念を抱きます。決して私利私欲のためではなく、自分が暮らす地域のことを、この地域で生活を営む人々のことを本気で考え、行動し、取り組み続けているのです。その気持ちに負けないよう、私も全力で取り組もうと日々気持ちを新たに励んでいます。

本書では、中心市街地において「新しい公共」の要の施設になると考えるまちなか広場について富山市の現状をお伝えし、広場の素晴らしさを少しでも感じていただきたいと思っています。そして、あなたの暮らす地域でも中心市街地にできた空地を駐車場にするのではなく、まちの元気を創出する拠点となる「まちなか広場」として整備しようとする動きが生じたなら、それは私の稚拙な文章が何らかの役割を果たすことになるのではないかと夢みるのです。

富山市中心市街地活性化基本計画(第1期)の中で位置づけ整備されたグランドプラザは、2012年度から始まった第2期計画でもその管理運営が重要な事業として位置づけられています。富山市の中心市街地活性化は、成功事例として全国に認知されており、私は(財)まちづくりとやまの一員として、今年度から視察の対応も担当しています。視察対応では、各地から来られる行政マン、商業者の方とお会いし、各々の地域における多種多様な課題について意見交換をする機会を得ています。そして、こうした機会を通し、いまの富山市が素晴らしいのは、中心市街地に関わるみんなが日々前進しようとする姿勢を持ち続け、また、その活動について互いに尊重し理解している点だと感じました。

2002年の初当選以来、富山市政を牽引されておられる森雅志市長は、戦略的な都市政策を打ち立てながら、年間100回に及ぶタウンミーティングを実施される等、自ら市民との対話に多くの時間を当てられています。こうして市長自らが語り合う場を重ねられていることもあり、中心市街地の活性化に重点が置かれる市のビジョンに対し市民も夢を抱き協力的です。グランドプラザも森市長の示される明快な政策あってこそ誕生した奇跡の空間だと感謝しています。

2015年春にはいよいよ北陸新幹線が開業します。さすがと感じる強烈なビジョンは新幹線の登場をもって完成とするのではなく、富山駅付近の連続立体交差事業も同時に工事が進んでいることです。これは、富山駅を高架化することで、鉄道により分断されていた駅周辺エリアをいま一度歩行者のための空間とし、また、富山駅北側のポートラムが走るライトレールと、南側のセントラムが走る市内電車都心環状線等を接続する構想です。そして、富山駅周辺や中心市街地には、交通結節点に新たな広場を整備する計画もあると聞いています。これらは、市民の移動の動線が大きく変わる数十年に一度の大プロジェクトであり、歩行者を支える公共交通や公共空間がますます便利となるよう整備されることになります。

さらに今年度からは、民間事業者による中心市街地のカーシェアリングもはじまりました。豊かさとは選択肢があることだと感じています。富山市中心市街地では移動手段がその日の天候や気分によって選べ、それが暮らしを豊かにしているのです。都心地区が魅力的なエリアとなり、モビリティの質が高まり、まちなかで移動をする際にどの店に寄り道しようかしらとか、この季節はあの道の花を愛でながら通ろうという楽しみがうまれています。

これが歩いて暮らせる、歩いて暮らしたくなるまちづくりを進める富山市の魅力です。

先日、初夏の豊島美術館(香川県)を訪ねる機会に恵まれました。島には船でしか渡れず、商店や民家よりも濃緑の山々、大きく高く青く光る空、向こうに広がる海が色めく大きな眺めを通り抜け、いまにも夕立が降りそうな空の下、バスでやっと辿り着きました。海のそばを歩き、アプローチ部分を抜けると美術館の入口が現れ、くぐって中に入った途端、人の安堵した気持ちが溢れていました。ここは天井にぽっかりと穴が開いた建築的な美術作品であり、雨が入り陽射しも直接射し込みますが、柔らかな丸みを帯びた乳白色の壁面が一枚の皮膜のように床から天井まで続き、母の胎内にいるような安心感が空間を包み込み、そこにいる全員が幸福感に満たされているようでした。

屋根がガラスでできているグランドプラザも、空がダイレクトに感じられます。透明な屋根に守られながら、大きな空の下に自分の身をおくことができる空間になっているのです。そこでは、大きな声で話す人の姿はなく、全員が互いを感じ合い尊重し、自分の居心地の良さを満喫しながら通り抜ける自然の風の中で各々が過ごしています。

人が安心して暮らしていくために寄り添い集まった集落の延長である現代の都市において、皆で安心して過ごせる場所がどれだけあるだろうかと考えました。大きなひとつ屋根の下、人々が集い、感じ合い、感動がうまれ、微笑み合えるまちなか広場の素晴らしさを、私は、日々ワクワクしながら、これからも精一杯伝え続けていきたいと思っています。

私の愛する富山でグランドプラザに出会えたおかげで、たくさんの出会いに恵まれ、本書を書き上げることができました。そして、今回の執筆にあたり、大変多くの方々のご協力、励ましをいただきました。気づきの数々は、私ひとりのものでは決してありません。今回の執筆にあたり、多くのご助言をいただきました皆々様に深く感謝申し上げます。特に、都市整備部をはじめとする富山市役所の皆様、私の所属する(財)まちづくりとやま(代表取締役社長神田昌幸氏、同副社長中田眞一氏)の皆様、グランドプラザ事務所の歴代スタッフの皆様、NPO法人GPネットワーク(理事長五艘光洋氏)の皆様、いつもたくさんの教えをくださる宮口侗廸先生、そして卒業後も見守り執筆を始める勇気をくださった全国地域リーダー養成塾塾長の大森彌先生には大変お世話になりました。その他にも多くの方々に支えられ書き上げることができました。また、学芸出版社の前田裕資さんと中木保代さんに、心より御礼申し上げます。なお、本書の内容や表現につきましては、私個人の見解と感想に基づくものですので、ご了承ください。
これからもますます魅力ある都市になるであろう富山市の一市民として、歓びとともに。

2013年8月  山下裕子

富山グランドプラザはまちづくり関係者には、言わずと知れた存在だ。富山市の総曲輪商店街の中心に位置するガラスの半屋外空間。まず、建築デザインが美しい。頭上にはほとんどガラスのみでできた屋根。しかしながら、いわゆるアトリウムのような密閉空間ではないので、空気のよどみが感じられない。人が行き交い、晴れの日には光りが降り注ぎ、雲の流れを感じ、雪が降ればつもっていく様子が感じられる。富山市のように冬の屋外活動が極端に限定されるような場所では、本当に望まれていた空間であることが、ぱっと見ただけでわかる。

しかし空間が美しいからといって自動的に人が集まってくるほど、日本は貧しくない。日常的にエンタテイメントがあふれるこの国で、広場などつくっても見向きもされないケースが多い。だからグランドプラザは、広場というものが日常の生活にしっかりと根付かせることができるのかという重いテーマを背負って運営されている。しかも日本全国の期待を背負って。その中心にいるのが著者の山下さんだ。

この本には、グランドプラザの誕生秘話から立ち上げ時の苦労話、日常的な工夫に至るまで、都市における広場づくりのノウハウがいっぱいにつまっている。原稿を書いている途中の山下さんに会ったとき、言いたいことが有りすぎてまとまらないと悩んでいたのを思い出すが、本を読んでいてその悩みを理解した。本の中での話題は施設の運営論、組織論、広場論、公と民の恊働論と多岐に渡るのだが、彼女の中ではこうしたものが肉体レベルで有機的に結びついてしまっているので、すべてが「あたりまえ」なのだ。だから、どのような言葉で説明してよいのか分からなかったのだろう。それらをなんとか整理し言語化するという苦労の跡が感じられた。しかし、読みすすめていく内に彼女のペースにまきこまれて、「そうそう、広場って、こういうもんだよなあ」と納得させられる感じなのだ。つまり、山下節が本にも出ているわけです(笑)。

山下さんの魅力はなんといっても、まちを愛する気持ちと、人に対する寛容さである。美しい言葉で言うと母性愛そのものの人、悪い言葉で言うと若くしておばちゃん?(大変申し訳ありません)といった感じで、あらゆる立場の人から信頼される才能にあふれている。しかし、それなりに気苦労もしていることが字間から感じられて、なかなかぐっと来る。ちなみに、私個人が山下さんから学んだのは赤の他人の信頼の仕方で、特に、昼間からお酒を飲みにくるようなおじさん達との関係の築き方は、彼女の胆力がよく現れていて本当に感心をしている。

あと、本を読んで驚くべきことのもうひとつのポイントは、彼女のブレのなさである。都市とは何か。都市の中で市民はどう振る舞うべきか。こうしたことに対しての考え方が、どのようなイベントを行ったとしても一貫しているのだ。彼女にとってみれば「あたりまえ」。しかし、そのあたりまえを本能的に知り、具体的な行動に結びつけることができる人はそういない。人、建築、都市、社会に興味が広く行き渡っていないと、こういう人にはならないのだから。

(建築家、東京藝術大学准教授/乾久美子)

担当編集者より

著者の山下さんは、ひとりの市民として広場の計画に関わりだし、気がつけば運営の要になっていた。今では日本各地から声がかかる、広場づくりのプロだといえよう。

公共空間であるがゆえに規制やルールによって使いにくいものになりがちな広場が、実にワクワクする空間になっているのは、黒子である彼女の活躍が大きい。どんなイベントをするのか、果たしてそれは賑わいを生むのか。厳しく、柔軟に、独自の感性で判断し、誰にとっても居心地がよく楽しい場になるように尽力されている。

その力を存分に発揮できるのは、行政・地元事業者などの支えがあってのこと。互いに理解しあい、協力しているからこそ、富山グランドプラザはうまくいっているのだと思う。

(中木)

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