ギズモード・ジャパンより転載:Apple(アップル)のプロダクトの特徴の1つは、修理・改造が自分でできない(非常に難しい)こと。新製品がでるたびに分解してみるウェブサイトiFixitでは、Apple製品はいつも低評価です。なぜならiFixitの評価基準は修理・改造のしやすさにあるから。とにかくAppleとしては、ユーザーにハードをあれこれいじってほしくないのですが、それがどんどん大きな問題に…。ユーザーには自分の端末を修理する権利があるという声があがっているのです。

ユーザーの修理する権利。これをめぐって裁判が進行中なのはオーストラリアです。権利を訴えているのはオーストラリアの公正取引委員会。「Apple非公式の店で修理などを受けた端末は、無料修理・交換の対象ではなくなる」とAppleストアのスタッフが発言しており、これはおかしいと主張しています。オーストラリアの法律では、商品に不具合があった場合、消費者には無料修理・交換の権利があり、Appleストアの対応は不当だというわけ。非公式に修理された端末といえば、動作しなくなるError 53メッセージ問題がありましたが、セキュリティ対策だーソフトウェアのミスだーと二転三転したあげく、修正されました。しかしError 53が解決したからといって、すべての問題がチャラになったわけではありません。

オーストラリア公正取引委員会は、Appleの非公式修理端末への扱いがいかに不当であるかを裁判で激しく主張。なんと、国内すべてのAppleストアに電話して「サードパーティでスクリーンを修理してもらったらiPhoneのスピーカーがおかしくなったんですけど」と聞いてみたという実験結果を持ち出しました。このテストで返ってきたのは、オーストラリアの法律下でも非公式に修理された端末のスピーカーを無料で直す義務はAppleにはないというものでした。

一方、Apple側の弁護団は、「仮定の話にすぎない。信憑性なし」と一蹴。本当の顧客には、きちんと権利にもとづいて対応しているというのです。また、公正取引委員会は非公式に修理された端末に対して、ウェブサイトでの解説も誤解を誘う文章だと訴えています。

まぁ、公正取引委員会とAppleが真っ向からぶつかっているわけです。非公式に修理された端末を巡っては、オーストラリアだけでなくアメリカ国内でも裁判がおきています。うちカリフォルニアで行なわれた1件については、AppleInsiderによれば、ユーザーの訴えを取り下げる=Appleに非はなしという結果になりました。シアトルでの裁判は、現在まだ進行中。さてオーストラリアではどうなるのでしょう。

テクノロジーの世の中だからこそ、自由に修理する権利が消費者には必要だと思いますか?


Source: The GuardianRhett Jones - Gizmodo US[原文