加計学園問題

「公務員獣医師不足」の本質議論されず 「実情を知って」と現場からは切実な訴え

愛媛県畜産研究センターで牛の健康状態を調べる獣医師。同センターに所属する獣医師は10年前の半数以下になった=愛媛県西予市
愛媛県畜産研究センターで牛の健康状態を調べる獣医師。同センターに所属する獣医師は10年前の半数以下になった=愛媛県西予市

 学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画をめぐり、野党や一部メディアが「公務員獣医師の不足」という本質からかけ離れた議論を展開していることに、同学部を誘致してきた愛媛県では畜産関係者らがいらだちを募らせている。獣医師不足の解消を望む現場からは「実情を知ってほしい」との切実な声が上がっている。

 「鳥インフルエンザや口蹄(こうてい)疫が複数の農場で発生したら、現状での対応は厳しい」。愛媛県畜産課の担当者は深刻な表情で語る。

 同県によると、県に所属する獣医師は16日現在で109人。公務員獣医師を毎年募集しているが定員割れは珍しくなく、平成20〜29年度では計47人の募集に採用は40人。29年度に限ると8人の募集定員までいかず、採用は5人だった。

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