iPhone+500円で本格的なVRを実現!YouTubeVR動画にも最適な「スマホ用 3D VRゴーグル」

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たったの500円! iPhoneでVR体験が可能となる「スマホ用 3D VRゴーグル」が上海問屋より発売された。

VRは、専用ゴーグルを装着することによって、目の前に映し出された立体映像を体験できる。
ゲームなどでは、実際にサメやゾンビが襲ってくるようなリアリティにより、思わず絶叫してしまう人もいるほどだ。

VRは、次世代ゲームやアミューズメント施設の目玉コンテンツとして期待されており、YouTubeにもVRコンテンツはアップされている。

しかし、普及の課題は、価格だ。
VRゴーグルは、各社から発売されているが、まだ高価で、誰でも手軽に使うことができない。
安価な製品もあるが、「Google Cardboard(ハコスコ)」のように、段ボールなどの素材製なため、耐久性がない。



■ワンコインで実現した「スマホ用 3D VRゴーグル」
「スマホ用 3D VRゴーグル」の一番の特長は、安価である点だ。
しかも、とてもワンコインとは思えない本体品質が、大きな魅力だろう。

映像表示には、iPhoneの画面を利用する。
市販の3D VRゴーブルと比べて液晶パネルや制御回路を必要としないため。500円という価格を実現できている。




焦点距離は10mm、瞳孔間距離は58〜72mmと、使う人に合わせて調整することができる。
さらに130横×47縦mm以内の眼鏡であれば、眼鏡をかけたままでもゴーグルの装着も可能。
固定バンドは、頭部の大きさにより調整が可能となっている。

本体サイズは約103縦×198横×138奥行mm。重さは約330g。
このサイズであれば、旅行や友人宅に遊びにいくにも、カバンにいれて移動可能だろう。
ちなみに、iPhone以外のAndroidスマホでも、4〜6インチのスマホであれば対応可能。

本体には、ウェットとドライクリーナーが各1個、スマホ傷防止クッションが3個、英語マニュアルが付属する。




■豆知識:VR(バーチャルリアリティ)とは? どんなことに使えるの?
バーチャルリアリティ(Virtual Reality)とは、人間の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を刺激することによって、現実と同じような体験ができる環境を人工的に作り出す技術のことだ。日本語では、「仮想現実」と呼ばれることもある。

バーチャルリアリティの歴史は古く、1935年にワンダー誌に掲載されたスタンリイ・G・ワインボウムの短編小説「Pygmalion's Spectacles(ピグマリオン劇場)」には、ゴーグルタイプのVRシステムがすでに登場している。

そんなバーチャルリアリティが実際に体験できるようになったのは1962年、Morton Heiligが開発したVR体験装置の試作機「Sensorama」だ。
Sensoramaは視覚・聴覚・嗅覚・触覚を模擬する機械だったが、街で見かけるインスタントスタジオくらい大きな装置であった。

それから6年後(1968年)には、ユタ大学のIvan Edward Sutherlandは「The Sword of Damocles」と呼ばれるヘッドマウントディスプレイを開発した。
ウェアラブルタイプのバーチャルリアリティとしては、「The Sword of Damocles」が世界初とされている。

「PlayStation VR」のようなゴーグルタイプ家庭用ゲームとしては、任天堂が1995年に発売した「バーチャルボーイ(VIRTUAL BOY)」が挙げられる。バーチャルボーイでは、左右の目に異なる映像を表示させて立体映像を実現したが、映像は赤の濃淡のみで、カラーではなかった。

昨年(2016年)は「VR元年」と呼ばれ、アジア最大級のゲームイベント「東京ゲームショウ 2016」では、「PlayStation VR」をはじめ、「Oculus Rift」「HTC Vive」「Google Cardboard」など、数多くのVRシステムが登場した。

少し話は逸れるが、「PlayStation VR」が爆発的に売れた理由のひとつには、価格の安さがある。
ライバルとなる「Oculus Rift」 「HTC Vive」は、「PlayStation VR」よりも価格が高いだけでなく、VRゲームを楽しむためには、別途、高性能なパソコンも必要で、最低でも20万円以上の出費は覚悟しなければならない。
「PlayStation VR」であれば、「PlayStation 4」と合わせても、8万円ほどと、出費を抑えることができる。


さて、VRの利用だが、現在は、ゲームのほかにも、楽しむ方法が増えている。

もっとも身近なところでは、YouTubeのVR動画がある。

YouTubeでは、360度見渡せる動画がアップロードされている。
たとえば、サーフィンをしたり、イルカと一緒に海の中を泳いだり、野生動物を間近で見たりといった疑似体験ができる。

また、iPhoneやAndroidスマホでは、「VR観光アプリ」もいくつか登場している。
同アプリを利用すると、自宅に居ながら世界中の有名な観光名所をVR体験しながら巡ることができる。

生活面での実用化といえば、医療の分野のVR応用も期待されている。
国際医療福祉大学大学院 准教授の杉本真樹医師は、「VR医療」の研究を行っており、患者の3D-CT画像データから作られた「VR解剖図」を使うことによって、手術の指示を出したり、手術の予行演習を行ったりすることができるという。

このようにVR技術は、粛々と社会や生活の中に浸透し始めている。




ワンコインで入手可能な3D VRゴーグルがあれば、YouTubeなどにアップされている3Dコンテンツも、気軽に体験することが可能だ。
今回のような安価な3D VRゴーグルが広く一般に普及すれば、新たな市場や世界が広がっていくことだろう。


ITライフハック 関口哲司