北“生命線”狙い?…中国は石油ストップちらつかせ[2017/04/24 17:03]

 挑発を続ける北朝鮮に対し、世界各国が核実験やミサイル発射への警戒を一段と強めています。北朝鮮側は、中国に対しても「破局的な結果も覚悟すべき」と関係悪化を警告しています。

 (山本志門記者報告)
 (Q.北朝鮮による異例の批判もあるなか、中国政府は今後、どう対処?)
 習近平国家主席とトランプ大統領がこの3週間の間に3回も会談していて、そのいずれも主要テーマは北朝鮮問題です。そして、習主席が何度も前面に立った異例な状況で、まさに危機感の表れだと思います。中国側の外交関係者に取材をしてみると、北朝鮮に対しては「段階的に制裁を強めていく方針」のようです。特に、北朝鮮にとって生命線に直結する石油のストップをメディアを使ってちらつかせるなど、これまで以上に圧力を掛けているわけです。ただ、いずれにしても、中国側は北朝鮮を「追い込み過ぎず」そして「見捨てず」の大方針に変更はなく、それを北朝鮮側が見透かしている可能性もあります。
 (Q.差し迫っている危機に対して平壌市内の様子は?)
 車で回ったり、歩いてみたりしましたが、朝には通勤・通学する姿、昼には買い物をする姿、夜には外食をしに出る姿、こういった日常の光景が広がっていて、それほど緊迫した様子はありませんでした。ただ、そのなかでも何人かの平壌市民に直接、話を聞くと、やはり皆さん、アメリカの空母が接近している話など、まずは現在の状況を大変よく把握しています。そのうえで、「戦争は怖くない。準備はできている」と対抗心をむき出しにする声を一様に聞きました。一方で、当然、不安に思う気持ちも大きいんだろうと思いますが、制限された取材のなかでは、それはうかがい知ることはできませんでした。それほど北朝鮮側も世論の締め付けを強めているだろうと思います。

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