三宅義和・イーオン社長

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■英語がしゃべれると世界中がホームになる

いまや、多くのスポーツも国際化が進み、海外遠征の機会もどんどん増えてきました。その際、よく「ホーム&アウェー」という言い方をします。自国での試合と相手国でのゲームのことです。日本で行う場合は、ほとんど外国語の心配をすることはないでしょう。けれども、海外に出かけるとなかなかそうもいきません。

実際、文化や習慣の違いに戸惑うこともあるでしょうし、何より言葉が通じないというのは、ものすごいストレスや疎外感の原因になってしまいます。自分の言いたいことが伝えられず、相手が怒鳴っている意味がわからない。しかも、敵地ではスタジアムを埋める観衆はほぼ全員が相手国の応援団です。

しかし、英語が話せれば世界中がどこでもホームになります。この前、大阪のイーオンキッズのイベントに参加したときのことです。「将来は水泳選手になるんだ」と言っていた男の子がいました。海外で優勝して、インタビューを受けるときに、英語で答えたいというのです。それだけでファンが増えます。まさに、そこが第2のホームになるでしょう。

こうした前向きな子どもが本当に日の丸を背負うようになれば、高いパフォーマンスを発揮すると思います。実力を出し切れるかどうかは、そのときの心の状態で大きく影響します。英語を十分理解しストレスがないという状態はすごく大きい。同じ力を持っているとしたら、心が安定している選手が有利に決まっています。

そして大事なのは、そうした目標設定が英語力を身につけるモチベーションになることです。やはり、必要に迫られた場に自分を置くというのは非常に大切なことです。英語が自分の人生にとって重要かつ必要だという価値観がないと、人間は誰でもなかなか真剣に学ばないものなのです。

■ラグビー協会とサポート契約した理由

実は、イーオンは今年1月、日本ラグビーフットボール協会と、ラグビー日本代表の語学分野でのサポートに関する契約を結びました。2019年には、ラグビーワールドカップが日本で開催されることもあり、選手たちの英語力の向上を教室でのマンツーマンレッスンとオンラインでのレッスンや教材の両面から支援していこうという狙いです。

その記者発表の席上で協会の専務理事が語っていた言葉がとても印象的でした。彼は「文化系、体育会系という区別をもうやめませんか。文化系だからスポーツはできなくてもいいとか、体育会系だから勉強は二の次というのは間違っています。もはや、そんな時代ではありません」と指摘してくれました。

スポーツで海外遠征に行った際のアスリートたちからもこんな悩みを聞くことが少なくありません。合宿練習や試合中は使われる用語は限られていますから、あまり問題はないそうです。しかし、大会や試合終了後に各国の選手が招かれるパーティーの席に行くと、どうしても孤立してしまい、会場の隅で静かにしている。せっかくの交流の機会を生かせないというわけです。

文武両道の選手こそ、これからの日本代表に必要でしょう。もちろん、協会レベルだけではなく、個人でもそうしたニーズが高まることを期待しています。そんなときは、ぜひともイーオンの扉を叩いてください。

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三宅義和(みやけ・よしかず)
株式会社イーオン代表取締役社長
1951年、岡山県生まれ。大阪大学法学部卒業。85年イーオン入社。人事、社員研修、企業研修などに携わる。その後、教育企画部長、総務部長、イーオン・イースト・ジャパン社長を経て、2014年イーオン社長就任。一般社団法人 全国外国語教育振興協会元理事、NPO小学校英語指導者認定協議会理事。趣味は、読書、英語音読、ピアノ、心身統一合氣道。

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(岡村繁雄=構成 澁谷高晴=撮影)