25人の女性が男性を奪い合う! 過激すぎるAmazon「バチェラー・ジャパン」の面白さと懸念とは

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定額で映画やドラマ、アニメなどが見放題となる動画ストリーミングサービスはここ数年で一気に普及。国内ではHuluやAmazonプライム・ビデオ、dTV、Netflixなど、シェア争いが激化しています。

なかでもAmazonプライム・ビデオは、年間3900円(税込)で動画配信だけでなく、Amazonの配送料が無料となったり、聴き放題の音楽配信も利用できたりと、コストパフォーマンスの高さで人気も高まっているようです。
2016年の調査では、動画ストリーミングサービス加入者のうち約45%のユーザーに利用されているという調査結果もあります。

動画配信サービスの競争が激化するなか、各社が特に力を入れているのがオリジナル作品です。自社の配信サービスだけで観賞できるオリジナル作品は、他社サービスとの差別化を図るため、シェア争いでの大きなアドバンテージになります。

そして現在、ネットで話題となっているのがAmazonプライム・ビデオで配信されているオリジナル作品「バチェラー・ジャパン」です。

「バチェラー(bachelor)」とは独身男性という意味。
バチェラー・ジャパン」では、ある1人の独身男性(バチェラー)が、25人もの女性たちと過ごしながら、運命の相手となる1人の女性を選んでいくという恋愛リアリティーショーです。

記念すべき日本の初代バチェラーとなったのは、東大大学院卒で多くのビジネスを成功させてきた青年実業家・久保裕丈さん。

そんな彼をめぐる25人の女性たちのリアルな恋愛感情や人間関係が同番組の見どころとなり、はやくもネットで話題となっているのです。

■気を引くために泣く?女性の本音が怖すぎる
1人の男性を25人もの女性が奪いあう「バチェラー・ジャパン」。

恋愛サバイバルが展開される「バチェラー・ジャパン」では、バチェラーの気を引くためにこれでもかといった女性同士の熾烈なバトルが繰り広げられます。

同番組の序盤、豪邸で行われるカクテルパーティー最中のバトルでは、
バチェラーと2人きりで会話をしている女性のところに、それを見過ごせない別の女性が乱入。2人で話していた女性は「正直、イラッとしました」と本音のコメントも…。

また、バチェラーと女性が2人で話している光景を遠目で見るしかできない女性たちは、重い空気が漂う雰囲気に耐えきれずにパーティー会場から出て行ってしまう人も続出したり、泣き出したりする女性たちも出るほど。

一方で、その様子を見ていた冷静な女性からは「(バチェラーの)気を引くために泣く以外、泣く理由ってありますか?」など、辛辣なコメントも炸裂。

女性の敵は女性という言葉もありますが、女性は持つ同性に対する冷徹な視線には、思わず恐怖を感じてしまう男性も多いのではないでしょうか。

■「なんで私だけ…」デートに誘われない嫉妬が怖すぎる?
思惑入り乱れるデートも「バチェラー・ジャパン」の見どころの1つです。

基本スタイルは、バチェラー1人に対して女性が複数人のグループデート。
海をクルージングして船上パーティーをしたり、ロボットレストランを貸し切ったり、キャンプ場でセグウェイを乗り回したりと非日常感あふれる華やかさです。

そんなグループデートでも、バチェラーと話したり、密着できたりする女性と、そうではない女性とで、嫉妬や羨望の嵐が吹き乱れます。

エピソード3のアウトドアデートでは、
同じコテージに泊まっている2人の女性の1人がツーショットデートに誘われ、もう1人はデートに誘われないという状況となり、
デートに誘われなかった女性は
「もうあの子とは口をききたくない」
と吐露するなど、人間関係もさながら地獄絵図のようなシーンが画面に映し出されていきます。

■即退場!「ローズセレモニー」が怖すぎる
エピソードの最後を盛り上げるのが、毎回行われる「ローズセレモニー」。
これがまた、ヒリヒリします。

バチェラーが気に入った女性にバラを渡し、バラを渡されなかった女性はその場で立ち去れなければならないという過酷なイベントです。

女性の緊張も極限になるようで、バラを受け取らない女性や、バラをもらえず「見る目がないと思います」と捨て台詞が吐露されるなど、出演者のリアルな人間性がむき出しになっています。

バチェラー・ジャパン」の中で現れる女性の本性に、思わず「怖っ!」と思うほどのリアリティが、視聴者を釘付けになっているようです。

はたしてバチェラーである久保裕丈さんはどんな女性を最後に選ぶのか。
クライマックスに向けて、目が離せない展開が続く「バチェラー・ジャパン」は、さらにネットユーザーの注目の的となりそうです。

■有料配信だから許される? エスカレートすれば…
各社が力を入れているオリジナル作品ですが、誰でも見られる無料の地上波放送の場合、こうした過激な演出やコンテンツだと、眉をひそめる人、気分を害される人も少なからずいるため、賛否の声も上がりそうです。

しかし「バチェラー・ジャパン」は、視聴者がお金を払って見る選択式の有料の動画配信サービス。誰でも見られない、見たい人だけが見る、選択式だからこそ可能な振り切ったプログラムだと言えます。

今後、ストリーミングサービスのシェア争いが、さらに激化すれば、地上波では放送に躊躇するかもしれない過激な企画や演出のプログラムが制作される可能性があります。

ですが、過激な描写を含んだ番組作りがエスカレートすれば、近い将来、有料の動画ストリーミングサービスであっても、企画や内容の妥当性、健全性が問われて行くかもしれません。

Amazonプライム・ビデオ「バチェラー・ジャパン」


磯崎 新