欧州4メーカー新型車の最新テクノロジーに注目!

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Showcar Mercedes-AMG GT Concept;

ヨーロッパの有名カーメーカーが、新型車や最新コンセプトモデルを発表するのがスイスのジュネーブショー。今年も3月9日〜3月19日まで開催され各社から様々なモデルが発表されたが、ここではその中でも、特に注目のテクノロジーや今のトレンドが分かる4メーカー、4車種の装備を紹介しよう。

800psハイブリッドカー『メルセデスAMG GTコンセプト』

まずは、ご存じドイツのメルセデスベンツから。

注目は、同社のスポーツ&レース系ブランド『メルセデスAMG』の誕生50周年を記念して発表された、新型コンセプトカー『メルセデスAMG GTコンセプト』だ。

Showcar Mercedes-AMG GT Concept;

同ブランド初のハイブリッドカーとなるこのモデルは、2シーターのFRスポーツクーペ『メルセデスAMG GT』をベースに、ボディサイズを拡大し後部座席と4ドア化を敢行している。

Showcar Mercedes-AMG GT Concept;

エンジンには、『メルセデスAMG GT』と同じ4.0L・V型8気筒を搭載。それに加え、後輪の駆動をサポートする電動モーターも採用。今後、『メルセデスAMG』のクルマに採用される新開発の『EQ Power+』というハイブリッドシステムを導入することで、800psものハイパワーを発揮している。

Showcar Mercedes-AMG GT Concept;

従来は、エコや低燃費のイメージが強いハイブリッドカーだが、それに加えパワーアシストという役割も電動モーターに課している点が、さすがF1グランプリでも活躍する『メルセデスAMG』。同ブランドのF1チーム(ペトロナス・フォーミュラ1チーム)では、ハイブリッドカーを実戦投入し、華々しい戦績を上げている。そのノウハウがこのモデルにも活かされているのは明らかだ。

まだコンセプトカーの段階だが、『メルセデスAMG』では今後2年以内に量産モデルを販売する計画だ。

アウディ新型『RS5クーペ』はトレンドの小排気量化

一方、アウディでは、同社のスポーツモデル『RS5クーペ』の新型を発表。

Static photo, Color: Misano Red

注目は新採用のエンジンで、前モデルの4.2L・V型8気筒から2.9L・V型6気筒に変更。

排気量をダウンサイジング化しながらも、ツインターボチャージャーの搭載で、最高出力は450psと前モデルと同等のパワーを実現。

しかも、最大トルクは前モデルの43.8kgmから61.1kgmに増大。発生回転数も4,000-6,000rpm(前型)→1,900〜5,000rpm(新型)となり、より幅広く使いやすい出力特性にしている。

ちなみに、このエンジンの排気量ダウンとターボの組み合わせは、EUでの厳しい排ガス規制をクリアするために、最近の欧州車の多くが取っている手法だ。

『RS5クーペ』も同じ方程式を採用し、NEDC(新欧州ドライビングサイクル)で100km走行あたり8.7ℓを実現。これをCO2排出量に換算すると197g/kmに相当し、従来モデルと比較して燃費効率が17パーセントも改善しているそうだ。

電子制御が満載のフェラーリ新v12気筒車

次は、同社の創立70周年記念モデルとして新型スーパーカー『812ファストバック』を発表したフェラーリ

このモデルは、同社伝統のV12気筒エンジンを搭載。最大出力800ps/8,500rpm、最大トルク73.3kg-m/7000rpmを発揮し、フェラーリ史上最もパワフルとの呼び声が高い。

パワーもさることながら、注目なのはフェラーリ初の電動ステアリングを装備すること。また、前輪の切れ角に対し後輪に舵角を付けるいわゆる4WS的な装備、バーチャルショートホイールベース 2.0 システム(PCV)も採用。

これら電子制御を駆使した最新テクノロジーの採用により、強大なパワーを持ちながらも、安定した高いコーナリング性能を発揮する。

伝統に培われた技術と最新テクノロジーが集結したこのクルマは、まさにスーパーカー! 正式発売が楽しみだ。

モニター類が注目のレンジローバー新SUV

イギリスのレンジローバーでは、新型SUV『ヴェラール』が注目だ。

クーペモデルのような低いルーフデザインなどにより、最近人気のクロスオーバーモデル的なスポーティさと、ラグジュアリーな雰囲気が満点。

ボディサイズ的には、ファッショナブルなフォルムが人気の『イヴォーグ』よりやや大柄で、同社のアーバンSUV第二弾となるモデルだ。

このクルマの注目点はインテリアで、センターコンソールにツインモニター『Touch Pro Duo(タッチ・プロ・デュオ)』を装備。これは、10インチのタッチスクリーンを2画面セットしたもので、クルマの情報から音楽や映像などのインフォメント系の情報など、様々な情報が表示できるものだ。

また、ステアリング奥にある12.3インチのデジタルディスプレイも面白い。速度計や回転計を表示する以外にも、切り換えればフルスクリーンで3Dナビゲーションにすることも可能だ。

いずれも、運転中の視線移動を極力少なくしつつ、今まで以上の様々な情報を見やすく表示。しかも、高級感も満点という点が秀逸だ。今後、同社モデルに搭載するモニターシステムの主流になるかもしれない。

これらモデルは、近々日本でも発売になるものや、コンセプトカーなら10月に開催予定の東京モーターショー2017で見られる可能性大。クルマ好きには乞うご期待だ。

【参考】

※ DAIMLER GLOBAL MEDIA SITE(『メルセデスAMG GT』)

※ Audi Japan Press Center(『アウディ・R5クーペ』)

※ 新型 Ferrari 812 Superfast フェラーリ・スタンドの主役に、70 周年記念テーラーメイドの新仕様を公開 - フェラーリ・ジャパン株式会社

※ LAND ROVER NEWSROOM(『レンジローバー・ヴェラール』)