父とガムと彼女 [Kindle]

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  • 文藝春秋
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  • 幼い頃、母の不在の中で父と共にしばらく生活を一にした若き女性
    記憶の中で問い続けてきた彼女の位置付けが父亡き後の母の’告白’で明らかにされるが
    自分の知らない父の姿、母の姿、家族の姿
    遥か昔を思い出し、あらためてそんなことを考えてみる

  • 子供のときに出会った大人たちってほんとはどんな人だったんだろう……と考えてしまう

  • 「四角い箱に入った蜜柑味のガム」
    イメージは視覚を、そして味覚と共に嗅覚を呼び寄せる
    懐かしい
    混み入ってても整然としていて、想いでのひとコマにしみじみとする感じがとてもよい

  • 父と彼女の間に脚色したガムを入れている点が秀逸。ほんのりとした切なさを醸し出すメタファーは十八番か。

  • アンソロジー作品『あなたに、大切な香りの記憶はありますか?』より切り売りされたこちらの作品

    幼少期の一時期、家にいた初子さん
    あの頃、難しいことは何も考えなかったけど
    彼女は何者だったのだろう
    父の通夜で彼女を見つけた
    聞いてみたい
    あなたの正体を
    そう思った

    思い出の中にいつもいる誰か
    あなたがいた情景と香りを忘れない
    懐かしい、切ない、もう戻ることのない人生の一場面を思い出す
    そんなセピア色の物語です

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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