- Amazon.co.jp ・電子書籍 (33ページ)
感想・レビュー・書評
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幼い頃、母の不在の中で父と共にしばらく生活を一にした若き女性
記憶の中で問い続けてきた彼女の位置付けが父亡き後の母の’告白’で明らかにされるが
自分の知らない父の姿、母の姿、家族の姿
遥か昔を思い出し、あらためてそんなことを考えてみる詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
子供のときに出会った大人たちってほんとはどんな人だったんだろう……と考えてしまう
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「四角い箱に入った蜜柑味のガム」
イメージは視覚を、そして味覚と共に嗅覚を呼び寄せる
懐かしい
混み入ってても整然としていて、想いでのひとコマにしみじみとする感じがとてもよい -
父と彼女の間に脚色したガムを入れている点が秀逸。ほんのりとした切なさを醸し出すメタファーは十八番か。
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アンソロジー作品『あなたに、大切な香りの記憶はありますか?』より切り売りされたこちらの作品
幼少期の一時期、家にいた初子さん
あの頃、難しいことは何も考えなかったけど
彼女は何者だったのだろう
父の通夜で彼女を見つけた
聞いてみたい
あなたの正体を
そう思った
思い出の中にいつもいる誰か
あなたがいた情景と香りを忘れない
懐かしい、切ない、もう戻ることのない人生の一場面を思い出す
そんなセピア色の物語です