東京五輪(2020年)には2兆4000億円市場へ! 企業がロボット参入を急ぐワケ

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オリックス・レンテックは、ロボットショールーム「Tokyo Robot Lab.」を開設した。
また、サイバーエージェントは、ソフトバンクと協業し、「ロボットサービス事業部」の設立を発表している。

最近、企業のロボット事業や市場参入などのニュースが相次いでいる。

理由は、次世代の市場や経済活動において、人手不足の解消対策やロボット産業市場が大きく拡大する可能性が確実視されてきたからだろう。

それだけ、今後のロボットビジネスへの期待感は、企業にとって大きいからだ。


ロボットで人手不足を解消
計測器などのレンタル事業を手掛けるオリックス・レンテックは、東京都町田市にロボットショールーム「Tokyo Robot Lab.」を開設した(写真はTokyo Robot Lab.のイメージ図)。

「Tokyo Robot Lab.」では、工業ロボットからPepperなどのコミュニケーションロボットまで、複数メーカーの最新ロボットが展示される。展示されるロボットの多くは、同社が前年から開始しているレンタルサービス「RoboRen」で貸し出しが可能だ。

工業ロボットの多くは、購入するには数百万〜数千万円の初期費用がかかる。
しかし「RoboRen」のサービスを利用すれば、月額数十万円からレンタルできる。
初期費用がネックで購入をためらう中小企業などでも、レンタルでの試用が可能となり、採算が合えば購入する判断も下しやすくなる。
オリックス・レンテックでは、貸し出すだけでなく、期間中のサポートなども提供する。

中小の製造業や飲食店などは、ロボットを導入することで、現在、深刻な問題となっている人手不足の解消が可能になると期待されている。
パーツの組み付け、調理の補助など、目的に応じてさまざまなロボットをレンタル利用することで、人手不足の解決に取り組めるというわけだ、

一方、インターネット広告事業などを行うサイバーエージェントは、グループ会社のAIメッセンジャーにおいて、ソフトバンクのPepper for Bizの協業代理店契約を結び、「ロボットサービス事業部」を設立したことを発表している。

Pepper for Bizでは、受付や接客などをヒューマノイドロボットのPepperが行うサービスを提供している。
今回の提携によりAIメッセンジャーでは、企業向けPepperの販売や、Pepperを活用したソリューションサービスの提供を開始する。

●東京五輪に向けて期待感が広がるロボット産業市場
総務省が発表した「情報通信白書 平成27年度版」によると、政府の「ロボット新戦略」では、ロボットの市場規模を2015年時点の6000億円から、2020年には2兆4000億円へと成長させることを目標としており、成長産業として認識、注力する姿勢が顕著に表れている。

2020年はちょうど東京五輪の開催される年だ。
この東京五輪にあわせて、さまざまなロボットの実証実験も始まっている。
日立は、羽田空港で接客ロボット「EMIEW(エミュー)3」の実証実験を行っており、外国人観光客の道案内などのサービスを提供予定だ。

成田空港では、食器の搬送を手伝う自立ロボット「HOSPI」の実証実験が始まっている。

ほかにも、NTT西日本は大阪市で、NTTグループのAI技術「corevo」を搭載したロボットによる観光案内の実証実験を開始している。

産業やサービス分野の拡大にあわせて、身近なコミュニケーションロボットも急速に広がりつつある。

デアゴスティーニ・ジャパンは、会員制公式サイトの「ロビクラブ」にて、人気の組み立てロボットシリーズ「ロビ」の第2弾「週刊 ロビ2」をエリア限定で先行販売することを発表。全国販売は2017年初夏からの予定だ。

ロボット事業や市場は、東京五輪に向けて、参入企業や新しいサービスが確実に増えていくことは、間違いなさそうだ。

この数年で、ロボットが存在することは当たり前になるのかもしれない。
気がつけば職場や街中、店舗、家庭など、身近な生活のなかで見かけることになるだろう。