米、ビザ発給にSNS審査も 国土安全省が検討
【ワシントン=共同】米国土安全保障省は1月31日、外国人に査証(ビザ)を発給する際の審査を強化し、申請者のウェブサイト閲覧履歴や電話の通話、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の記録調査を検討していると明らかにした。国際社会で批判が高まる中、トランプ政権は一部の難民受け入れを表明するなど姿勢を軟化させたが、厳しい移民政策は堅持する構えだ。
トランプ大統領は31日、銃規制や同性婚など米社会を二分する問題で重要な判断を示す連邦最高裁判事の欠員人事を発表する。全9人のうち保守系判事が昨年病死した。引き続き保守系を指名するとみられている。
審査の厳格化は身辺調査を徹底する狙いで、市民の入国を90日間禁止したイスラム圏7カ国など一部の国に将来導入するとみられる。禁止措置を受けて航空機への搭乗を拒否されたのは7カ国で計721人に上った。
西部カリフォルニア州サンフランシスコは、不法移民に公共サービスを与えるなど寛容な措置を取る「聖域都市」への補助金を停止するとしたトランプ氏の大統領令は違憲として提訴した。
大統領令は全ての国から難民の受け入れを凍結するとしたが、国土安全保障省は872人の難民を今週中に受け入れると発表。国際社会の批判に配慮した可能性がある。
ケリー国土安全保障長官やスパイサー大統領報道官は31日の記者会見で7カ国に対する措置について「入国禁止ではなく、難民やビザの審査制度を見直すための一時的な対応だ」などと釈明した。トランプ氏はこれまで「禁止措置」と述べているが、強硬なイメージの緩和を図ったとみられる。