「ジープの新型「ラングラー」は、悪路を走破してショッピングセンターにも行ける快適性を手に入れた」の写真・リンク付きの記事はこちら

ジープはオフロードの戦士たちのためのクルマだ。これは軍事力に刺激を受けてつくられたチャリオット(戦闘用馬車)で、アスファルトの向こう側の世界を征服しにいく気分のときにはピッタリである。まるでマーケティング部がつけるうたい文句のようなフレーズが、エンジニアや設計者たちは本気でそんなクルマを目指している。

「ロサンゼルスモーターショー 2017」でお披露目された新型「ジープ ラングラー」。忠実なジープファンたちが期待するようなアグレッシブヴさを強化すべく、このモデルにはさまざまなアップグレードが施されている。

悪路での走破性能は正当進化

ゴツゴツした道も走り抜けられるよう、クリアランスは改良された。より軽く、簡単に取り外せるようになったドアは、車体を軽量化し、視界を広くし、このクルマは確かにジープなのだと証明するためのものだ。フロントガラスは簡単に前に倒せるようになっている。洗練された5リンク式サスペンションによって、未舗装の道への適応力は向上し、さらに電動油圧式のステアリングによってコントロールしやすくなっている。

エンジンには、最高出力270hpと最大トルク400Nmを引き出す2リッター4気筒ターボエンジンか、最高出力285hpと最大トルク353Nmの3.6リッターV6「Pentastar」エンジンを選択できる。さらに2019年には、3リッターV6ディーゼルエンジンもオプションに加わる予定だ。

PHOTOGRAPH COURTESY OF JEEP

もちろん、この新型ラングラーは地響きを立てながら放浪するためだけのものではない。エンジニアや設計者たちは、このクルマに乗ってクールにショッピングに行きたい(おそらく数多くの)人たちのことも忘れていないのだ。彼らはサスペンションの調整によってより安定した路上走行を、そして遮音・防音のための対策によってより静かなドライヴを実現した。

快適になっても失われないDNA

さらに2017年の初め、ジープはラングラーをさまざまな手法によって現代化した。いまやこのオフロードマシンにはバックカメラやパーキングアシスト用のセンサー、ブラインドスポットモニターや横滑り防止装置、トラクションコントロールシステムまでついている。

車内には、エンターテインメントやナヴィゲーション、ハンズフリーコミュニケーションのための第4世代目「Uconnectシステム」、5インチのタッチスクリーン(7インチや8.4インチも選択可能)を搭載。カスタマイズできるコンビネーションメーターは、オプションでフルカラーグラフィックにすることもできる。さらに、アップル「CarPlay」や「Android Auto」にも対応済みだ。

だからといって、こういった人を甘やかすテクノロジーによってジープのDNAが失われることはない。ドライヴァーたちがたまには汚れたいと思っていることを知っているジープは、車載システムからスピーカーまで、車内すべてを防水にした。一日ずっと田舎で過ごしたあとはクルマを丸洗いし、ショッピングモールまで“遠足”にいくことができるのだ。

RELATED

クルマ社会に革新をもたらす10の「注目スタートアップ」、LAモーターショーで選出