なるほど。じゃあその能力を買われて,FFチームのリーダーに抜擢されたんですか
田畑氏:
抜擢って感じではなかったですけどね。ただ,そういうチーム作りを続けてきた結果,
これまでのスクウェア・エニックスでは作れないようなタイトルが作れるようになってきた。それで,改革とセットでFFを任されたんだと思います。
原田氏:
反発はなかったんですか? FFくらい歴史あるタイトルで改革を行おうとすれば,絶対に反発って出てくると思いますが。
田畑氏:
そりゃあ,ありましたよ。チームの中だけじゃなく,外からも。だって,もし僕のやり方で結果が出てしまったら,都合が悪くなる人だっているわけだから(笑)。
ただ,そこまで強いものでもなかったんです。今の日本の状況を見たら,現状維持なんてできるわけがない。
10年前ならまだしも,明らかに世界に対しては負けているわけで。そういう意味では,この状況は僕にとってラッキーだったと思います。
これは僕が持っているFFのイメージだけど,FFって「これがカッコいいんだ,スタイリッシュってこういうことなんだ」っていうある種の美意識を,ユーザーの側に提示するものだったじゃないですか。
その一方で,コミュニティと対話しながら,その反応をみて何かを変えるようなことはしてこなかった。ですよね?
田畑氏:
そうですね。以前は「俺らが作る素晴らしいFFを,ファンは完成するまで待ってろ!」みたいな感じだったかも(笑)。
原田氏:
悪い意味ではなくてね。アンチに対しても,クオリティと物量で黙らせるみたいな熱量があった。僕もそれこそがFFだと思っていたし。ところがですよ。
2014年の東京ゲームショウでFFXVのトレイラーが発表されたとき,「ホスト4人が高級車で疾走」というイメージがバズって,
それに乗っかって公式でコラ素材を配布したじゃないですか。しかも,クリアファイルも作ってましたよね?
田畑氏:
あれはちゃんと意味があって,ローンチまでにファンを増やしていく,“線”のアプローチがしてみたかったんです(関連記事)。ああやって素材にして遊んだら,
発売前なのに,自然とキャラに親しみが湧いてきますよね?
その方法論は分かるんです。僕だってもう,あのホスト君達には親しみが湧いていますからね。
でも,それを嫌がるファンだって確実にいます。あるいは口にこそ出さないまでも,これまでと違うやり方やファンとの接し方に対して,「大丈夫かな?」って不安に感じる人もいる。
田畑氏:
ええ,ネガティブなフィードバックもいっぱい来ました。ああ,これがFFっていうIPの歴史なんだって,そのとき改めて思いましたね。ただそれと同時に,
「FF病」
にかかったままの人が,ファンの中にもいっぱいいるんだってことに気が付いた
4Gamer:
FF病,ですか?
田畑氏:
スクウェア・エニックスの社内にいる,自分のFF観でしか物事を考えられなくなってしまった人達のことです。
その根っこにあるのは強烈な自己肯定で,チームの勝利条件よりも,自分のFF観を優先してしまう。
そのFF観を満たせてないと,FFとしてダメだと思い込んでいる。「FFは特別なゲームで,それを作っている自分達も特別なんだ。FFの新作が出たら皆が食い付くはずだ」って,どこかで思っている。
でもそんな現実,あるわけないじゃないですか。
原田氏:
なるほど,それでFF病。それは解りやすいですね。
田畑氏:
それで,「俺たちは特別な存在じゃない。早く目を覚ませ」って,チーム内で諭していた時期があったんですけど。
でも,FFXVの情報を世に出し始めたことで,それが社内だけじゃなかったことに気が付きました。
みんながFF病だったんですよ。
田畑氏:
そういう現状維持を求める人達の声って,ものすごく強く大きいですよね。
ディレクターの交代を発表したときとか,すごかったです(笑)。
でもだからこそ,FFの現状に対する危機感を,より強く持つようになりました
ここでシリーズを近代化しておかないと,終わってしまうだろうと。
これまでの何度かのインタビューでも,田畑さんは「FFらしさとは何か」という質問に対して,「AAAタイトルであること」と答えてらっしゃいましたよね。
その意図は,よく分かります。ただ,ファンが考える“FFらしさ”って,恐らくそういうことではない気がするんです。
田畑氏:
きっと,そうなんでしょうね。FFXVはオープンワールドだって発表したときも,「オープンワールド? ふざけんな!」
って言われまくりましたから。自身の思い出をベースとしたFF観と,ズレているということですよね。
原田氏:
オープンワールドにするって聞いたとき,僕はすごいことやるなって思ったけどな。だって,FFシリーズのこれまでのウリって,物語だったわけじゃないですか。
しっかりと構築された世界観の中に,一本スジの通ったストーリーがあるっていう。オープンワールドにするってことは,それを捨てるということじゃないですか?
プレイヤーごとに体験に差が出てくるわけだから。勝手なイメージですが,いわゆる“JRPG”にとって,
それはあってはならないことのように思えるんだけど。
田畑氏:
ああ……この対談,面白いですね(ニヤリ)。
ペルソナ5のクリエイティブプロデューサー/ディレクター担当
ペルソナ5発売前インタビューにて
橋野氏:
お客様が何を期待してくれている,信じてくれているというのは感じているので,そこは絶対に裏切れないと思っているんですね。
まずは皆さんが期待しているだけの内容を用意したい。
その土台があって,作り手ならではのお客様の予想を超えていくような仕掛けや楽しさを詰め込んでいくデザインを目指しました。
それでいて煩雑には決してならないように,ですね。その実現のため,本当に長い時間が掛かってしまったのですが……想定していた内容にはなったかな,という手応えはありますね
とても興味深いです。しかし,銃といい交渉システムといい,懐かしいものが復活していますよね。
橋野氏:
呪殺スキルの「エイハ」なんかも復活させたりしてるんです。20周年だしと(笑)。会話交渉のシステムもそうですが,今はペルソナというタイトルが完全に独立していますが,気持ちの根っこには,やはりメガテンがあるというか。
4Gamer:
なるほど。やはりペルソナシリーズのルーツでもあるわけですからね。
橋野氏:
自分で老舗と言ってしまうのはおかしいかもしれませんが,歴史があるのにそれを軽んじたり忘れたりしちゃうと,単なる新作ゲームになっちゃう気もするんですよね。
橋野氏:
例えばバトルシステムは,これまで培ってきたノウハウがあるので,新しいことは取り入れながらも,大事なところは守りながら詰めていくという方が,
プレイヤーの皆さんも喜んでもらえるのではないかと思っています。もちろん,ペルソナ5がアトラスのゲームの初プレイであったとしても,です。
1作ごとではなく,何かシリーズ通して込めてきた思いのようなものはありますか?
橋野氏:
皆さんがなんとなく感じている不満だとかイライラだとかを消化して,明日への希望にしてもらう……とまで言ったら大げさかもしれませんが,
ゲームをプレイしたあとに「ああ楽しかった,でもまたいつもと同じ現実が待っている」ではなく,「これからはこうして生きてみようかな」と,何か心に残るものがある,
自分の中で何かを変えてみようと思ってもらえたり,勇気づけられたりするような作品を意識して作っています。
それがシリーズに共通して,変わらず込められている思いですね。
4Gamer:
ペルソナはこれからも続いていくシリーズだと思うんですが,今後はどのように広げていきたいと考えていますか?
橋野氏:
まずはなにより,ペルソナ5を皆さんの手元に届けたいので,いま今後の展望をお話するのは難しいですが,
どんなものを作るにしろ,皆さんの雑談や議論のネタとして盛り上がってもらえるような,個性的な作品を作っていきたいですね。
長らくお待たせしてしまい,本当に申し訳なかったのですが,ようやく完成しました。過剰な期待は怖いので(笑),いつもどおりに楽しんでもらえればと思います。
控えめに言っても,かなり遊んでもらえる内容に仕上がっていると思います。
あと,ストーリーはまったく新しいものですが,世界設定はこれまでの作品と地続きなので,思わず“ニヤリ”とするような要素をささやかながら用意しています。
ぜひ,そちらも楽しみにしてください。
ウィッチャーの感謝コメント
ペルソナ5の同封品
FF15の同封品
ノクティス ルシ なんとか
FF病と言われてもおれは前者がいい
都合が悪くなる人がいる(笑)とか自分の事しか考えてない田畑
これほんとに言ったのかどうか知らんけどFFは特別なゲームだよ
言ってる本人もわかってるだろ
これすき
なお
自分で老舗と言ってしまうのはおかしいかもしれませんが,歴史があるのにそれを軽んじたり忘れたりしちゃうと,単なる新作ゲームになっちゃう気もするんですよね。
田畑氏:
スクウェア・エニックスの社内にいる,自分のFF観でしか物事を考えられなくなってしまった人達のことです。
その根っこにあるのは強烈な自己肯定で,チームの勝利条件よりも,自分のFF観を優先してしまう。
そのFF観を満たせてないと,FFとしてダメだと思い込んでいる。「FFは特別なゲームで,それを作っている自分達も特別なんだ。FFの新作が出たら皆が食い付くはずだ」って,どこかで思っている。
でもそんな現実,あるわけないじゃないですか。
ひゃ〜wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
それをFFらしさって言い切るって、多分他のビッグタイトル作ってる人でもそんな事言わんだろうに
インタビュー内容がほとんど特定の人間に向けた皮肉に見える
FFは惰性でなんとなく気が向いたときに少しやってる
特にシナリオおもしろいし盛り上がるんだけど‥‥みたいなモヤモヤ感が終始つきまとってた
後半で原田にも4game記者にもやんわりと否定されてるやん
スタッフを応援してるわけじゃねえのに
上にいるやつが別意見を封殺するのを組織づくりと思ってんだな
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